湖底SNSにて、天敵である水草マツモが開発した『疑似真球アバター』が爆発的に普及し、本来の「丸み」を競い合うマリモ界のアイデンティティが崩壊の危機に瀕している。このアバターは、マツモの細長い体を無理やり丸く束ねることで、一見すると栄養状態の良い巨大マリモのように見せかけるというもの。これまでマリモ界隈では「どれだけ綺麗な球体か」が美の基準とされてきたが、この偽装技術のせいで、SNSのタイムラインは偽物だらけの「いびつな球体」で溢れかえっている。さらに悪質なことに、マツモたちはこのアバターでマリモのコミュニティに潜入し、光合成に必要な日光を効率よく遮断する『遮光ドーム型ハラスメント』を繰り広げているという。運営側は「球体としての解像度が低すぎる」として対策に乗り出しているが、一部の流行に敏感な若手マリモからは「本物よりむしろ質感がリアル」という困惑のコメントも寄せられており、ネット上の境界線は崩壊寸前だ。

本件の背景には、湖底で長年続く「マリモvsマツモ」の冷戦構造がある。マツモは成長速度が速く、常に「場所取り」で優位に立ってきたが、マリモの持つ「丸さというブランド」への劣等感が、今回の技術開発の動機と見られている。かつては物理的な侵略がメインだった彼らも、今やデジタル空間での「見た目の支配」へと戦術をシフトさせているのだ。なお、このアバターを使用したマツモは、水流が強まると束ねた茎がバラバラに解け、中から正体が露見するという致命的な欠陥を抱えている。SNS界隈では、あえて強い水流の場所へ誘導し、相手の正体を暴く『崩壊ハメ』が新手の嫌がらせとして流行の兆しを見せている。

この事態に対し、湖底の有識者からは「そもそも球体であることに固執する価値観自体が古い」という急進的な意見も飛び出している。しかし、古参マリモたちは「我々は転がってこそ、その真価が問われる」と激怒。ネット上では「マツモの偽装を見抜くAIフィルター」の開発を求める署名運動が開始された。一方、被害を受けたマリモからは「偽物のほうが光合成の効率が良いという事実に直面し、アイデンティティが揺らいでいる」といった悲痛な叫びも上がっている。この先、湖底が「本物という幻想」と「効率という現実」のどちらを優先するのか、SNSでの議論は収束の気配を見せていない。