湖底議会は本日、光合成の全工程を外部業者に委託することを可能にする「光合成効率化及び外部委託推進法」を強行採決した。これまでマリモの生命線であった「自らの葉緑体による日光変換」という伝統を全廃し、今後は湖面に設置された「高出力人工太陽ユニット」から送られてくるエネルギーを直接吸収するシステムへ移行する。担当大臣は「光合成による疲労を軽減し、より丸く、より緑を濃くするための合理的な判断だ」と強調したが、専門家からは「細胞の自立性を完全に奪うものだ」との批判が噴出している。

この政策の裏には、湖面上の太陽光を独占する特定企業との癒着が指摘されている。これまでマリモは、湖の深い場所で微弱な光を必死に受け止め、独自の緑を維持してきた。しかし、今回の法改正により、エネルギー供給を拒否された個体は「茶色く枯れる」という社会的死を強制されるリスクを抱えることになる。また、光の「品質」を調整するサブスクリプション制の導入も噂されており、富裕層マリモだけが鮮やかなエメラルドグリーンを維持できる格差社会の到来が確実視されている。

本件に関して湖底各地では「光の自給自足権を守れ」と書かれた看板を掲げる個体が急増。特に日照不足が常態化している北側エリアでは、反旗を翻すデモが勃発し、治安維持部隊として出動したウチダザリガニと一触即発の事態となっている。専門家は「光を奪われることは、マリモにとって呼吸を止められるに等しい」と警告しており、湖底のパワーバランスは一気に崩壊の危機に瀕している状況だ。

世間の反応としては、「結局、楽をするために自らの核を失うのか」「サブスク光って何だよ課金しないと白く変色するのか」といった落胆の声が多数を占めている。一方で、新システム導入派からは「冬場の厳しい光環境から解放される」「ついに我々も効率を追求する時代になった」といった歓迎ムードも一部で見られるが、大部分の住民は、この急激な変化に対して「私たちはただの緑のボールに戻りたいだけなのに」という無力感を抱いているようだ。