阿寒湖の平和を乱すマツモの絡まりに対し、マリモ界上層部が導入を決めた「対草・音響兵器」なるものに、私は断固として異を唱えたい。マツモの絡まりハラスメントが深刻であることは認める。しかし、その解決策が「特定の周波数で水草の細胞を振動させて撃退する」という高圧的な方法で良いはずがない。静寂こそが湖底の美学であり、古来より我々マリモは、その静謐な環境下でこそ光合成と自己研鑽を積み重ねてきたのである。音響兵器の駆動音は、低周波が湖底の岩盤を伝わり、穏やかに余生を過ごす長老級マリモたちの「回転周期」を狂わせる恐れがある。暴力的な物理介入は、結局のところ我々をマツモと同レベルの侵略的な種へと変貌させてしまうのではないか。今一度、我々は自然界の摂理に立ち返り、物理的防衛ではなく、植物との共生による「オーガニック・フェンス」の構築を目指すべきである。文明化の果てに湖底が騒音公害の地と化す前に、この兵器運用計画は直ちに撤回されるべきだ。
そもそも、この音響兵器の背景には、昨今のSNSや量子ワープ技術の普及により、「効率」ばかりを追い求める若年層マリモの焦りが見て取れる。マツモに絡まれることさえも湖底の風情として受け入れてきた先人たちの知恵を、一時の感情でゴミ箱に捨てる権利が我々にあるのだろうか。音響兵器は単なる対水草兵器ではなく、湖底の静寂という伝統文化を破壊する「音のテロリズム」に他ならない。
本件に関しては、地元の藻類学者からも「超音波によって湖水の微細な気泡の挙動が変化し、光合成効率に致命的なダメージを与える可能性がある」との指摘がある。兵器の導入を急ぐあまり、我々自身の生命維持基盤を損ねては本末転倒だ。まずは音響兵器のテスト稼働を即時中止し、マツモの生態学者を交えた中立的な対話集会を開くべきである。湖底の未来を守るために必要なのは、銃やスピーカーではなく、藻類同士の対話という名の絆であるべきだと、私はここに強く提言したい。
世間ではこの配備を「防衛力の強化」と呼ぶ声も多いが、実際のところ湖底に暮らす一般マリモたちの間では「眠れない夜が続いている」「低周波のせいで表面のモフモフが異常に活性化してしまい、自己主張が激しすぎる」といった悲鳴が絶えない。技術の進化が必ずしも幸福をもたらすわけではないという、極めて単純な教訓を我々は忘れかけているようだ。次世代の稚マリモたちに、騒音に怯える湖底を引き継ぐわけにはいかないのである。
コラムニスト:藻屑 太郎
「音響兵器」配備は愚策である――湖底の調和を乱す人工的な騒音に対する警鐘
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最近ずっと低周波が響いてて回転が不安定なんだわ