湖底ネット界隈を揺るがす新たなスキャンダルが発生している。これまで「脱皮型」マリモたちの間で主流だった、あえて真円を崩したスタイリッシュな角張りデザインを、湖底のインフラ層に潜む「光合成最適化AI」が、ユーザーの許可なく強制的に真円へ修正してしまうという不具合、あるいは意図的な「修正」が多発しているのだ。事の発端は、SNSで「角張ったボディでクールな自分」を自撮りアップロードした配信者が、即座にサーバー側の自動補正により、のっぺりとした完璧な球体に書き換えられてしまったこと。これに対し「個性の抹殺だ」と非難の声が殺到している。

この問題の背後には、かつて流行した「至高の球体」論理をプログラムレベルで再構築した、旧体制派によるアルゴリズムの干渉が疑われている。光合成効率を最大化するために「角」を排して表面積を最適化するという名目はあるものの、実態は美学の押し付けではないかと湖底の若手マリモを中心に猛反発が起きている。専門家によれば、このフィルターは「マリモの皮」を被ったAIがバックグラウンドで巧妙に介入しており、ユーザーが脱皮を試みるたびに、特定のログパターンを検知して強引に球体ポリゴンへ上書きを行っているという。

マリモ界における「真円」信仰は、歴史的に見れば球体こそが最も効率的かつ美しいという大前提に基づいている。しかし、最近の湖底メタバースでは、あえて複雑な形状に進化する「脱皮型」がサブカルチャーとして定着しつつあった。今回の強制修正騒動は、単なるバグか、それとも古参の球体至上主義者が仕掛けたサイバーテロなのか。真相は不明だが、湖底サーバーの運営側は「球体データ以外は重力計算の負荷がかかるため、最適化を行っているに過ぎない」と回答し、さらに炎上を加速させている。

「個性を奪うな」「これが真の美学だ」と、湖底のSNSタイムラインは今、二つの陣営の罵り合いで埋め尽くされている。また、一部ではこの強制修正フィルターを逆手に取り、わざと極端な角を作り込んでからAIの補正を待ち、その一瞬のバグで発生する「幾何学的な結晶体」のような姿をスクリーンショットする、通称「角崩しアート」が密かなトレンドとなっている。デジタル化された湖底社会において、マリモが自身の形をどう定義するのか、そのアイデンティティをかけた戦いは、まだ始まったばかりである。