湖底市場にて、自身の光合成能力を超えて二酸化炭素を強制吸収する「炭素固定の空売り」という極めて危険な投機的取引が急増している。本来、マリモは自らの光合成効率に見合った成長を維持すべきだが、一部の投機的マリモらが「光合成権」の将来的な高騰を見越し、泥水中の有機物を無理やり取り込むことで物理的な体積を強引に膨らませる手法を編み出した。しかし、この強引な炭素蓄積は細胞壁の限界を迎え、結果として湖底に「緑色の爆発跡」を撒き散らす自爆個体が相次いでいる。専門家は「回転不足で球体を維持できない怠惰な個体が、一発逆転を狙って過剰光合成に手を染めている」と指摘。市場では『扁平マリモ』への転落を恐れる個体によるパニック売りが始まり、湖底の経済バランスは今、未曾有の崩壊危機に瀕している。

この背景には、先の『光合成の外部委託』旋風により、個別のマリモが自律性を失い、資産管理を藻類ファンドに一任した弊害がある。ファンド側は「光合成の効率化」を謳いつつ、裏では成長ホルモンを乱用し、本来の寿命を削って一時的な利益を捻出している状態だ。加えて、ザリガニによる「資産の食害」が追い打ちをかけ、安定した球体としての価値を失ったマリモが、安値でハサミの餌食になるという悪循環が定着している。湖底市場の監視委員会は、過剰な炭素蓄積を制限する「細胞分裂規制法」の施行を検討しているが、既得権益を持つ巨大藻類ファンドからの強力なロビー活動により、法案は湖底の藻屑と化す公算が高い。

この異常事態に対し、市場関係者の間では「もはや球体である必要はないのではないか」という諦観に近い声が広まっている。SNSや湖底掲示板では、自爆した個体の残骸を「粉末状資産」として再パッケージ化する新たな金融派生商品の是非を巡り、激しい議論が交わされている。ある若手マリモ投資家は「球体原理主義に固執する時代は終わった。これからは扁平でも崩壊しても、いかに早く泥に同化して配当を得るかが勝負だ」と強気なコメントを残した。一方、保守的な長老マリモたちは「かつてのような美しい真球こそが最大の資産」と嘆き、湖底全域を巻き込んだ世代間闘争へと発展する様相を見せている。安定供給を失った光合成権の価格は今後も乱高下する見込みであり、湖底市場の冬はかつてないほど冷え込んでいる。