湖底議会は本日、急速に繁殖域を広げる水草『マツモ』の侵略を防ぐための緊急対策として、『緑の防波堤・光合成封鎖』法案を可決した。この法案は、境界線付近に住むマリモたちの光合成を意図的に制限し、湖底の栄養分を意図的に枯渇させることで、マツモの根を干上がらせるという「焼け野原戦術」である。推進派の保守層マリモは「多少の飢餓は我慢の範疇、湖の平和のためなら耐え忍ぶのが古き良きマリモの美徳だ」と熱弁するが、境界線付近の若手マリモからは「なぜ我々だけが栄養を断たれなければならないのか」と反発の声が上がっている。この過激な法案は、単なる領土防衛の枠を超え、湖底全体の生態系を揺るがす禁断の手段として議論を呼んでいる。
本件の背景には、昨今の水温上昇に伴うマツモの異常な成長スピードがある。従来、マツモとの共生を図る穏健派が存在していたが、先月の「マツモ共生法案」の惨敗以降、議会は急速にタカ派へ傾倒した。今回の法案は、物理的な防御壁を築く予算がない中で、湖底社会が自らの代謝を犠牲にして「兵糧攻め」を行うという、極めて異例かつ自傷的な決断である。生物学者である長老マリモは「光合成を制限することは、我々にとっての呼吸を止めるに等しい。マツモを殺す前に、自分たちが先に茶色く変色してしまう懸念がある」と警鐘を鳴らすが、議会は「緊急避難措置」を盾に、強硬姿勢を崩していない。
世間の反応は真っ二つに分かれている。SNSならぬ「湖底・糸状藻ネットワーク」では、この政策を支持する「#湖底の安全を守れ」というタグがトレンド入りする一方で、実利を求めるマリモたちからは「光合成できないマリモなんて、ただの苔玉だろ」「行政の失敗を末端のマリモの栄養不足でカバーするのはナンセンス」といった批判が殺到している。一部地域では、既に光合成を強制制限されたマリモが退色し始めているとの悲惨な報告も上がっており、湖底社会は歴史的な分裂の危機に直面している。食うか食われるかの生存競争か、それとも共倒れの破滅か、議会の判断が試されている。
湖底議会に暗雲、宿敵『マツモ』の大量流入を食い止める「緑の防波堤・光合成封鎖」法案が物議
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