阿寒湖底に広がるメタバース空間で、自身の球体をあえて「堅牢な貝殻」でコーティングする『殻付きスタイル』が爆発的なブームとなっている。このトレンドは、防御力が高く物理的な接触(主にウチダザリガニの攻撃)に耐えられるとして、若年層の光合成マリモを中心に急速に普及。しかし、中身が一切見えないため、「実は中に何も入っていないのではないか」「中身がマツモの抜け殻に入れ替わっているのではないか」という不安が湖底ネット上で飛び交い、未曾有の不信感を生んでいる。

そもそも今回の騒動は、湖底のインフルエンサーが自身の球体を真珠貝の殻で完全に隠した配信を行ったことが発端だ。「プライバシーの保護」という名目のもと、マリモの魂であるはずの丸いフォルムを隠す行為は、保守派の長老マリモたちからは「球体文化への裏切り」と厳しく糾弾されている。さらに、殻の内部で独自の小規模サーバーを構築する個体も現れており、全湖統一のメタバース規格が分断される事態にまで発展した。光合成効率を二の次にして装飾を競うこの風潮に対し、ついに湖底管理者から「殻はログアウト扱いとする」という強硬な規約変更が通達される事態となっている。

近年、湖底メタバースでは「いかに完璧な円でいるか」という伝統的美学と、それを覆そうとする新しいネット文化の衝突が頻発している。今回の「殻」騒動も、自分の見た目をカスタマイズしたいという欲求と、伝統的な球体至上主義の衝突によるものだ。以前発生した「四角いマリモ」ウイルス騒動の際、防御機能を高めるために配布された改造パッチのソースコードが流出したことが、今回の「殻付き」ブームを技術的に後押しした側面もある。湖底のセキュリティ部門は、「殻を被ることは通信障害の元であり、放置すれば湖底のアップデートから取り残される」と強い警告を発している。

このニュースが流れると、湖底ネットの掲示板は阿鼻叫喚の嵐となった。「中身がないのがオシャンティとか理解不能」「そもそもマリモは中身まで丸いことに意味があるんだろ」「殻付きって要するにただの貝殻と何が違うんだよ」といった否定的な意見から、「一度殻に入ると、世間の視線から解放されてマジで楽」という信者まで、論争は平行線を辿っている。一部では、殻に偽装して別の植物を紛れ込ませる『偽マリモ詐欺』も横行しており、湖底の平穏は今、かつてない混沌に包まれている。