阿寒湖がかつてない緊張感に包まれている。先般開発された『硬度強化・全身メタリックコーティング』技術により、マリモたちの肉体はもはやただの繊維の集合体ではなく、鋼鉄のごとき輝きを放つサイボーグへと変貌を遂げたのだ。湖底の観測チームによると、メタリック化したマリモたちは、自らの光合成効率を最大化するべく、『緑の音響防衛陣』と融合。湖底の地形を書き換える超重量級の戦闘態勢を構築し、外敵であるウチダザリガニを完全に無力化するに至ったという。さらに、これらサイボーグマリモは量子力学を用いた『時空の歪み』を発生させ、湖内に小さなワープゲートを随時展開。近隣の藻類を次々と取り込み、自らの防衛網を拡張し続けている。研究者は「もはや生物学的分類が不能なレベル。阿寒湖は今や、地球上で最も進化した高度兵器保有地帯となった」と震える声で語った。

本件の背景には、かつて勃発したマツモとの熾烈な領土紛争がある。防衛戦を勝ち抜いたマリモたちは、生存本能の果てに「個体としての脆弱性」を克服すべく、湖内の鉱物成分を高速で吸引し、結晶化させるナノテクノロジーを独自に獲得した。これにより、かつての柔らかな触感は消滅。今は鏡面仕上げのボディを輝かせ、湖底の暗闇を反射して不気味な光を放っている。また、この金属化は知性にも影響を及ぼしており、マリモたちは炭素循環ポエムを奏でながら、組織的な戦術行動をとるまでに至った。もはや自然の営みというよりは、高度に統制された軍事演習に近い状態が阿寒湖の深淵で展開されている。

この驚異的な進化に対し、専門家からは「かつては阿寒湖の宝石と呼ばれた存在が、今や湖を支配する銀色の支配者となった」と皮肉混じりの驚愕の声が上がっている。一方、一般市民の間では「カッコいい」「緑色のサイボーグはロマンがある」といった賛否両論の反応が渦巻いており、湖畔にはマリモの輝きを一目見ようとする観光客が押し寄せている。しかし、ワープゲートの誤作動による湖水の時空振動も報告されており、関係機関は「湖に近づく際は、量子ノイズによる電化製品の故障や、時空の歪みに伴う一時的な記憶喪失に注意すること」と異例の警報を発令した。