マリモ連邦政府は本日、全市民を対象とした「第1回・全土一斉減量計画」の実施を宣言した。近年、光合成の効率化による過剰な栄養摂取の結果、連邦内のマリモが肥大化し、「転がりの悪さ」や「湖底の交通渋滞」が国際的な問題となっていた。これを受け、当局は連邦全域の光量を意図的に遮断し、細胞レベルでの脂肪燃焼を強制する「深海ダイエット」の開始を決定。対象となる全ての個体は、向こう3週間、日光を制限され、体内蓄積されたデンプンを消費して、理想的な「黄金比率球体」への回帰を目指すこととなる。

背景には、隣接する水草国家との間で行われる「シンクロ転がり競技」での体重超過失格問題がある。マリモ連邦は「重すぎて転がらない球体は、もはや石ころと同義である」との強硬な姿勢を見せており、今回の減量プログラムは国家の威信をかけた改革の一環だ。また、極端なダイエットによる「萎み(しぼみ)」を防ぐため、成分調整された特製栄養水溶液が湖底の各所に配置された。専門家は「今回のプログラムにより、連邦内の平均直径が約15%縮小し、かつてない機敏な転がり性能が復活するだろう」と分析しているが、一部からは「球としての威厳が失われる」との懸念も上がっている。

本件を受け、マリモ国民の間では賛否が分かれている。ダイエットの成功を祈願し、光合成を自主規制する「禁欲派」がSNS上でトレンド入りする一方で、「重いことは正義」「丸いだけがマリモじゃない」と主張する過激派も出現。また、連邦政府が配布した「低糖質・低光量ガイドライン」に従わない個体に対し、周囲が「お前、ちょっと質量増えてないか?」と監視する「質量ハラスメント」が多発しており、連邦は至急、心理カウンセリング・チームの投入を検討している。

世間の反応は概ね「スマートになったらまた大会で優勝できる」「物理法則に抗うな」と現実的な視点が多い。しかし、中には「丸々としている方が可愛い」という美意識を譲らない意見も根強く、減量プロジェクトは単なる健康増進を超えた、マリモの美学を巡るイデオロギー闘争へと発展する様相を呈している。湖底のいたるところで、ダイエットに耐えかねた個体が隠れて光を浴びようとする「闇討ち光合成」が横行しており、連邦警備隊による監視活動は夜を徹して続いている。