阿寒湖のネット界隈で、かつてないほど過激な自己啓発ムーブメントが巻き起こっている。先月より「球体という名の檻から脱出せよ」とSNSで提唱し、多角形化を推進してきたインフルエンサー「マリモ・サードインパクト」氏が開催したオンラインセミナー『尖った自分を愛する技術』が、わずか数秒で完売する事態となった。同氏は「完全な球体こそが至高という教義は、藻類の可能性を奪う呪いである」と主張し、自身の体をあえて多角形に削り出す「頂点脱出」手法を伝授。受講生たちはこぞって岩場で体を擦り合わせ、角を出すための「エッジング修行」に励んでいるという。

この潮流は、先日の「多角形化は美学のアップデート」という議論が過熱したことで一気に表面化したものだ。伝統的な球体派からは「角を出すのはただの放置」といった批判も飛ぶが、進化論を信奉する新派閥は「角があれば湖底の凹凸にもフィットし、流されにくい」という実利面を強調する。一方で、かつて乾燥ワカメを崇拝して炎上したインフルエンサーたちが、この多角形ブームに便乗して「多角形こそ神の造形」と高額な壺ならぬ「多角形特化型光合成用岩盤」を販売し始め、界隈では「教祖ビジネスの再来」と警鐘を鳴らす声も上がっている。

本件の背景には、昨今の光合成テロやウチダザリガニによるサブスク搾取など、外部環境の悪化による「生き残り戦略の多様化」がある。球体という完璧な防衛形態をあえて捨てることで、ニッチな湖底スポットを確保し、効率よく栄養を吸収しようという合理主義が、皮肉にも自己啓発の文脈で語られるようになった。学術界からも「これは生物学的適応か、単なるネット上の過激思想か」という議論が持ち上がっており、マリモ界のアイデンティティは今、かつてないほど鋭利な分岐点に立たされている。

SNSでは「丸いままでいることが正義だという同調圧力に疲れた」「エッジを効かせるだけで自己肯定感が高まる」と、多角形派の若手マリモから熱烈な支持が集まる一方、古参の球体派は「それはただの削れだ」「丸くあるための努力を放棄するな」と猛反発。もはや論争は収束の気配を見せず、週末には湖底の広場で「エッジ派VSラウンド派」の公開討論会が予定されているが、会場へ向かう途中で角が取れて球体に戻ってしまう参加者が続出するのではないかと、運営側は戦々恐々としている。