阿寒湖代表としてプロ野球界に電撃参入したマリモの「まり太郎」選手が、公式戦で前代未聞の魔球を披露し、球界を震撼させている。投球動作に入ったまり太郎は、自身の球体表面に微細な渦を発生させ、大気中の水分を強制収束。この『水圧スクリュー投法』は、球速180キロで放たれたボールが、バッターの手元でまるで水流のようにねじれながら、あろうことか直角に曲がるという物理法則無視の挙動を見せた。球審はあまりの急変化にストライク判定を下せず、「球が消えたのかと思った」と呆然と語った。この事態を受け、日本野球機構は「マリモの回転数は計測不能であり、ボールに意思がある疑いがある」として緊急のルール検討会を開催する予定だ。

本件は、光合成によるエネルギー充填が限界に達したマリモが、その余剰エネルギーを流体力学的に放出したことで発生した現象と見られている。一般的な野球ボールとは異なり、マリモ特有の繊維質が空気抵抗を極限までコントロールしており、投げた瞬間に小さな局所的気象変化を引き起こすことが判明した。過去には芝生を喰らうなどと揶揄されたマリモ選手だが、今回は投球術だけでスタジアムの湿度を30%上昇させ、選手たちのユニフォームをびしょ濡れにするという思わぬ副産物も生んでいる。対戦相手の打者からは「打ちにくい以前に、バットから苔が生えてきそうで怖い」と困惑の声が上がっている。

スポーツ科学の専門家からは「この投球はもはや球技ではなく、マリモによる自然災害に近い」との厳しい指摘があるものの、観客動員数は右肩上がりだ。特に、投球後にマリモが静かに沈黙する様子はファンにとっての癒やしとなっており、試合終了後のマリモ専用の水槽には連日行列ができている。一方で、マリモ側は一切コメントを出しておらず、ただ淡々と光合成を繰り返すのみ。来週のオールスター戦では、この『水圧スクリュー』を捕手が受け止められるかどうかが最大の焦点となっている。各球団のスコアラーは、マリモの回転を読み切るために高性能な顕微鏡を持参してスタンドに座る異様な光景が広がっている。