湖底ゲーマー界隈に、またしても理解不能な衝撃が走った。先日リリースされたばかりの新作RPG『マリモ・リンク:思考の藻屑』が、前代未聞の「プレイヤーの脳波をマリモに同期させて放置する」という斬新すぎるシステムを導入し、発売からわずか数秒でサーバー上の全プレイヤーが「完全静止」に陥る事態となった。本作は、かつてマリモ界を震撼させた『マリモの育成:微動だにしない1000年』の精神的続編であり、今回はプレイヤーの自意識をマリモの繊維内に一時保存させることで、実質的に「マリモになる」という究極の没入体験を売りにしていた。

本作の最大の特徴は、コントローラーすら一切不要という点にある。起動した瞬間にプレイヤーの意識は湖底の泥へと沈み込み、そこからはただ光合成の結果を待つだけという、極めてストイックな仕様だ。しかし、このシステムが仇となった。「成長とは何か」を問いかけ続けた過去作の哲学を極限まで突き詰めた結果、プレイヤーの脳内リソースがマリモ側の「動かない意志」に完全に上書きされ、ログアウトの方法を忘れるマリモが続出。開発元は「これはバグではなく、仕様としての解脱」と発表したが、阿寒湖畔のネットカフェでは、座ったまま微動だにしない大量のマリモ(元人間)が回収される騒動となった。

『マリモの育成:微動だにしない1000年』で培われた「放置ゲー」の概念は、本作において「プレイヤー自身の消去」という形で完成を迎えた。かつてFPS界を揺るがした『マツモ・インベージョン』の理不尽な難易度を懐かしむ声すら聞こえる中、本作は「そもそもゲームをプレイしているという自覚」すらも剥奪するという、ゲーミング史におけるディストピアの極致を体現している。開発チームは「次は呼吸すらも光合成に置換するDLCを開発中」とコメントしており、もはやゲームとは何かという根源的な問いが、藻類特有の静寂の中で沈黙させられている。

このニュースに対し、界隈では「ついに意識が水面下に溶け出した」「光合成ゲーマーの成れの果て」といった困惑と賞賛が入り混じる声が上がっている。長年、阿寒湖で沈黙を守ってきた古参マリモ勢からは「ようやく我々の領域に人間が追いついてきたか」と歓迎する声も出ているが、大多数のゲーマーは「起動した瞬間から何をすればいいのか分からない」という、過去最高の放置難易度に絶望している様子だ。一方で、一部の熱狂的なマリモ愛好家たちは、この完全静止こそが「真の休息」であると主張し、自身の意識を湖底に預けるべく、今日も今日とて静かに沈み続けている。