阿寒湖のゲーマー界隈を震撼させている新作『マリモ・フォトシンセシス:太陽を奪還せよ』が、いよいよ社会問題として湖底議会で取り上げられる事態となった。本作は、ひたすら光合成を行いエネルギーを蓄えるという、マリモ本来の生存本能を極限まで先鋭化させたシミュレーターである。しかし、あまりの没入感から、プレイヤーたちが湖底の限られた日照時間を奪い合う「光合成権益争い」が発生。一日24時間ぶっ通しで光合成の効率化を図るマリモたちが、他の個体の行く手を阻むために強固な布陣を敷くなど、もはやゲームの枠を超えた「日光の独占」が加速している。開発元は「自然の摂理を学んでほしい」とのコメントを出しているが、すでに湖底では太陽光を巡る冷戦が勃発しており、平穏な藻類ライフは崩壊の危機に瀕しているのだ。

本件の背景には、本作が実装した「極限効率化エンジン」がある。従来のマリモ系ゲームが「何もしないこと」を美徳としてきたのに対し、本作は「いかに効率よく光を受け止めるか」という競技性を導入した。そのため、プレイヤーは数ミリ単位で自身の球体形状を調整し、他者の影に潜り込むという極めてアグレッシブなプレイスタイルを要求される。この変化は、これまでの「静寂」を愛する保守的なマリモ層と、効率を求める「光合成エリート」層の間で深刻な分断を招いた。現在、湖底には「日光難民」が溢れ、かつての穏やかな共生関係は過去のものとなりつつある。

この事態を受け、各地のマリモコミュニティからは悲鳴とも呼べる声が上がっている。長年のゲーマーからは「日光を奪い合うなんて、僕らの知っているマリモじゃない」と嘆く声が挙がる一方、効率化を推し進める新世代からは「生存競争に負けるのは怠慢だ」という冷徹な意見も飛んでいる。中には、ゲーム内の実績解除のために光合成を過剰に行い、体内の酸素が飽和して意図せず浮上してしまったという事故報告も後を絶たない。阿寒湖の未来は、過剰なゲーマーたちに飲み込まれてしまうのか。運営側のバランス調整パッチが待たれるところだが、光を求める欲求を一度覚えてしまったマリモたちに、以前のような穏やかな日々が戻ることはないだろう。

ゲーム批評家 藻屑 太郎