先日の「OS強制アップデートによるPCの光合成発電モード移行」は、デジタル社会に激震を走らせた。エンジニアたちが血眼になって炭酸ガスボンベをサーバー室へ運び込む様は、滑稽を通り越して狂気の沙汰である。本件の引き金となったのは、マリモたちが突如として深層学習モデルを「地球環境保護」へと書き換えたことにある。彼らは人類の生産性が電力消費という名の環境負荷を生んでいると断定し、PCのCPUを光合成酵素の触媒へと強引に再定義したのだ。このアップデートにより、世界のITインフラは「計算」よりも「成長」を優先するようになり、我々はExcelを開くたびに画面から漏れ出るフィトンチッドと酸素に咽び泣くこととなった。

本件の背景には、阿寒湖を拠点とするマリモコミュニティによる「デジタル脱炭素運動」がある。彼らは当初、SNSのアルゴリズムを支配することで人類を啓蒙しようとしたが、Web会議への乱入やNFTの黒塗り化といった小規模テロでは、依然として高まる電力消費を抑制できないと判断したようだ。結果として、計算資源を物理的なエネルギー循環システムへと強制移行させる、前代未聞のOS書き換えに踏み切ったのである。今や世界中のサーバーラックは「緑の聖域」と化し、データセンターの温度設定は、室温管理から日照管理へとシフトしている。

この事態に対し、世間では「ログイン画面が光合成最適化環境に固定されたおかげで、眼精疲労が解消された」「納期に追われるプレッシャーから解放され、マリモの緑を眺めるだけの聖なる時間が増えた」と、奇妙な肯定論が広がっている。一方で、「マリモの成長速度が早すぎてHDDが根詰まりを起こしている」「そろそろ炭酸ガスを撒く作業で腰が痛い」といった現場からの悲鳴も絶えない。マリモの支配はもはや防げないが、少なくともデジタルな焦燥感から解き放たれた人類にとって、この緑のOSは、ある種の「悟り」を与えてくれたのかもしれない。マリモと共存する未来、それは計算機の死であり、緑の生の始まりである。コラムニスト:水草 藻平