湖底ゲーミング界に激震が走っている。本日行われた第一回『阿寒湖マリモ・バウンド選手権』の決勝トーナメントにて、優勝候補の筆頭であった若手選手が、公認の弾力基準を大幅に超過していたとして失格処分となった。本競技は、コントローラー操作でマリモを跳ねさせ、岩肌を正確に避けてゴールを目指すという、高い操作スキルが求められる極めて繊細なゲームである。しかし今回、優勝したマリモが「異常に反発係数が高い」として、他選手たちから「合成樹脂を混ぜ込んだ不正仕様ではないか」との猛烈な抗議が殺到する事態となった。

物理演算エンジンを逆手に取った「無限バウンド」という戦法が開発されてからというもの、プロゲーマーたちの間では、いかに自分の身を硬く、かつ跳ねやすくするかが至上命題となっている。これまでマリモたちは、適度な光合成と日々のシェイプアップによって弾力を養ってきた。しかし、今回摘発された選手が密かに「マツモの繊維を練り込んで防御力を上げた」あるいは「湖底の特定の鉱物を吸収して密度を極限まで高めた」という疑惑が浮上したことで、業界は『自然派vs改造派』の泥沼の対立へと突入した。運営委員会は次回の大会から、全出場者に対して「弾力測定器」による厳格な事前検診を行うと発表したが、反発する選手たちによるボイコットの動きも広がっている。

そもそも、この競技がここまで熱を帯びたのは、一部の過激派ゲーマーによる「球体こそ至高、跳ねる球体は神」という哲学の影響が強い。これまでも、マリモを「磨く」という行為が、実は表面の微細な毛を削り取る過酷なチューニングであったことは周知の事実だ。今回の騒動を機に、どこまでが「自己鍛錬」で、どこからが「外部パーツの追加」にあたるのかという議論が、阿寒湖全域を巻き込んだ大論争に発展している。かつて平穏に光合成を楽しんでいた時代は、もはや遠い過去の話のようだ。

このニュースを受け、SNS上では「努力の方向性がおかしい」「もはや湖底はサイボーグ格闘技の現場」といった呆れ声が上がっている。一方で、不正疑惑をかけられた選手を擁護する過激なファンからは「ただの光合成不足を努力不足と決めつけるな」と、連日のように抗議デモが行われている。運営側は「我々が求めているのは純粋なバウンド技術であって、工業製品化ではない」と声明を出しているが、ゲーマーたちの狂気じみた向上心は止まる気配がない。今後、この論争が収束しなければ、阿寒湖全体が「レギュレーション違反の聖地」として歴史に刻まれることになるだろう。