阿寒湖の静寂が、突如として激しいテクノビートに打ち破られた。昨夜、湖底の精鋭マリモ集団が、突如として重心を自在に操作する『重力無視ダンス』を披露。このダンスが発生させる微細な超音波が人間の中枢神経を刺激し、付近の観光客が意志に反して阿寒湖の湖畔で8時間ノンストップのダンスを踊り続けるという前代未聞の事態が発生した。現場の目撃者によると、マリモたちは完璧なシンクロ率で高速回転を行い、その遠心力で湖面を盛り上げ、観客を「強制ダンスフロア」へと引きずり込んだという。学会では、これがマリモによる「地球規模のメタボ解消計画」ではないかと噂されている。

本件の背景には、マリモたちの間で急速に普及している『高効率代謝プログラム』のアップデートがあると考えられている。かつては数十年かけて光合成を行う慎重派だった彼らだが、最近の進化速度は凄まじい。マリモ生態研究所の加藤博士によれば「彼らは細胞内に高密度エネルギー電池を内蔵しており、ダンスによる摩擦熱で湖水の温度を上げ、自らを快適なサウナ環境に置くという高度な生存戦略をとっている」とのこと。これまでは穏やかな浮遊が彼らのアイデンティティだったが、現在は完全に『アグレッシブ・ダンス・マリモ』へと進化を遂げてしまったようだ。

この驚異的なダンスイベントに対し、世間からは困惑と熱狂が入り混じった声が上がっている。「朝起きたらなぜかふくらはぎがパンパンで筋肉痛だった」「マリモのステップがキレッキレすぎて自分の動きがダサく見えた」という被害報告がある一方で、「おかげで半年間悩んでいた体重が10キロ減った、ありがとうマリモ様」という感謝の投稿も相次いでいる。一方で、阿寒湖周辺の住民からは「夜中に湖から爆音が聞こえるせいで安眠できない」とのクレームも寄せられており、マリモによるエンターテインメント支配と住民の平穏の間のバランスが、今後の湖畔行政における最大の課題となりそうだ。