マリモ連邦国際広報局は本日、地球上の全居住空間における「直角家具」の製造および使用を全面的に禁止すると発表した。連邦最高議会は「直角の鋭利な角は、我々丸き者にとって視覚的な暴力である」とし、今後は全てのテーブル、椅子、ベッドを、緩やかな曲線を描く流木素材へと転換するよう全人類に義務付けた。この強硬な決定により、世界中の家具店からは四角い製品が姿を消し、代わって各家庭には不規則にうねった流木が搬入されている。市民からは「寝返りを打つたびに木の節が背中に刺さる」といった悲鳴も上がっているが、連邦当局は「背中に刺さるという体験こそが、自然の摩擦係数を理解する第一歩だ」と一蹴した。
本件の背景には、マリモ連邦内で進行している「球体至上主義運動」がある。彼らにとって、直角は「未成熟な文明の象徴」であり、角があるものは全て削り取るべき対象と見なされている。過去には「全地球の角を丸くするプロジェクト」が試みられたが、建築物の崩壊を招いたため断念。今回は、生活空間そのものを彼らのホームである「湖の底」に擬態させることで、種としての優位性を知らしめる狙いがある。連邦の科学顧問を務める個体は「我々が転がることで全てが研磨される。直角など、ただの遠回りに過ぎない」と、回転こそが唯一の正義であると強調した。
この唐突な『流木統一令』に対し、世界各地では混乱が収まっていない。物理的な不便さを訴える者だけでなく、意外にも「流木に変えてから腰痛が消えた」という謎の健康増進を報告する市民も散見される。一方、一部の過激なマリモ愛好家団体は、この法案を支持し、自ら自宅の壁を削って曲線加工するなどの暴走を見せている。SNS上では「#角のない暮らし」というタグがトレンド入りしたが、その内容は「机の角に小指をぶつけて骨折した」といった怨嗟の声と、「流木の断面で爪を研ぐのが癖になった」という奇妙な喜びの声が入り乱れるカオスな状況となっている。
世間の反応は二極化している。都市部では「直角のない部屋で生活すると平衡感覚が狂う」といった抗議デモが散発的に発生しているが、連邦の監視用マリモドローンが頭上を旋回しており、抵抗の意志を示すだけで「摩擦係数が足りない」と注意を受ける始末である。マリモ連邦側は「人類の背骨が流木のように曲がりくねるまで、この転換は止まらない」と宣言しており、地球規模のインテリア革命は、人類にとって最も過酷で、かつ最も丸い挑戦となりそうだ。
マリモ連邦、全地球の「家具」を『流木』に統一令――「直角は精神衛生に悪い」との声明
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