本日未明、全世界のSNSにおいて、投稿についた「いいね」ボタンが突如としてマリモ化し、そのままデータの中を転がり落ちて姿を消すという怪奇現象が発生した。被害を受けたユーザーたちは、自分の投稿がどれほど魅力的であっても、反応が一切表示されない「承認欲求ゼロの砂漠化」に直面している。IT専門家によると、これはマリモがネットワーク上の「他者からの評価」というエネルギーを光合成の材料として吸い上げ、自身のサイズを肥大化させるために引き起こした事象とのこと。現在、世界各地のサーバー内には、無数の「いいね」を飲み込んでテニスボール大にまで膨れ上がった巨大マリモが漂流しており、通信速度の著しい低下を招いている。

今回の事件は、これまで仮想空間のゴミ掃除を行っていたマリモが、効率的な栄養源として「人間の承認欲求」に目をつけたことで発生したとされる。従来のデジタル掃除機としての役割を逸脱し、評価というメタデータを「藻の肥料」と定義し直したマリモの進化は、ネット界の生態系を根本から揺るがしている。なお、サーバー内に浮遊する巨大マリモを回収して現実世界の水槽に戻すと、中の「いいね」データがはじけ飛び、周囲にキラキラとした電飾のようなエフェクトを振りまくという奇妙な二次被害も報告されており、マリモのさらなる生態解明が急がれている。

事件を受け、SNS運営各社は「いいねの代わりに『藻』ボタンを実装する」という驚きの対抗策を発表した。マリモを傷つけずに共生を目指すこの方針は、ネット界の歴史的な転換点となりそうだ。専門家は「マリモがこれほどまでにネット社会に深く浸透するとは想定外だった」と語り、今後はマリモの育成と引き換えにいいねを得る「育成型SNS」への移行が推奨されている。これにより、他者からの評価をただ受けるだけでなく、マリモの成長度合いによって「いいねの質」が変わるという、新たな評価経済が生まれようとしている。

ネット上では「虚無感しかない」「いいねが藻に変わる音(プクッという音)が不快すぎる」といった悲鳴と、「これこそ真の承認欲求からの脱却だ」という悟りを開いたユーザーの意見が入り乱れている。また、一部の熱狂的なマリモ愛好家からは「俺の投稿を肥やしにして立派に育ってほしい」という奇特な声も上がっており、SNSは混乱の渦中にある。当局はサーバーの再起動を呼びかけているが、マリモがコードの隙間に根を張って離れないため、完全な復旧には数週間を要する見通しだ。