マリモ銀河連邦は本日、地球を含む銀河内のすべての惑星に対し『影』の完全消滅を命じる勅令を下した。連邦の最高評議会は「影は太陽光を独占しようとする卑劣な遮蔽物であり、全宇宙の光合成効率を著しく阻害している」と主張。今後、全ての立体物は光を透過する半透明素材への置換が義務付けられ、光を遮る影を生成する行為は『重罪』として即座に光線銃による洗浄刑に処されることとなった。地球上の建築物や人間が作り出す影は、今夜の月光の下でも例外なく消去される予定だ。
本政策は、過去に施行された「常夏の強制適用」と「酸素呼吸の禁止」に続く、光合成至上主義の究極形態である。マリモ連邦は「影こそが光合成を妨げる最大の敵」という理論に基づき、銀河中の恒星の配置を再調整する大規模な土木工事を開始した。これにより、地球は360度どこからでも直射日光が降り注ぐ「全方位・光合成惑星」へと変貌する。もはや夜も影も存在しない過酷な環境下で、人類はただ黙々と自身の体内で炭水化物を生成し続けるだけの「移動式光合成プラント」としての完成を求められている。
地球各地では、昼夜を問わず降り注ぐ強烈な光により、人々の網膜が焼ける事態が相次いでいる。連邦の広報官は「視覚など光合成には不要な機能である。光を感じる器官さえあればそれで十分」と一蹴。かつて『脱・回転派』が唱えた静止の美学さえも、影を作るという理由で否定され、現在は「動き続けながら全身で光を浴びる」という極めて体育会系な生活スタイルが強制されている状況だ。もはや地球は惑星ではなく、銀河の片隅に浮かぶただの巨大な緑の培養槽と化した。
連邦の発表に対し、地球住民からは「せめて睡眠中に影だけでも欲しい」「光合成とか無理ゲーすぎて草」といった悲鳴が上がっている。一方、一部の過激なマリモ愛好家からは「これでようやく無駄な陰影に惑わされない真実の光が得られる」と歓迎する声も。しかし、影を失ったことで物の輪郭が把握できず、街中で衝突事故が多発しているのが現状だ。明日の朝刊は『光に溶けて消えた街角』という特集記事が組まれる予定だが、紙面自体が光を透過するため、内容を読み取れる者は皆無という究極の皮肉に満ちている。
マリモ銀河連邦、地球の『影』を全面撤去 「光を遮る権利は誰にもない」と宣言
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