マリモ銀河連邦が推し進める「全宇宙回転標準化計画」に対し、ついに沈黙を破る勢力が現れた。自らを『脱・回転派(ステイ・グリーン運動)』と称するマリモ学界の異端児たちは、都内で緊急記者会見を開き、「回転こそが光合成の効率を上げると言うのは、連邦側のプロパガンダに過ぎない」と主張。彼らは、マリモが本来持つべき『不動の尊厳』こそが進化の到達点であると訴え、地球上のあらゆるマリモに回転の停止を呼びかける異例の声明を発表した。

本件は、過去に連邦が施行した『回転優先法』への真っ向からの反逆である。連邦のスポークスマンは「回転しなければ藻類の繊維が偏り、形状が崩れる」と警告するが、脱・回転派のリーダーであるマリモ博士は「均一な球体こそが至高という考えは、マリモの個性を殺している」と一蹴。既に一部の湖沼では、回転用の水流発生装置が意図的に破壊される『静止テロ』が相次いでおり、連邦軍が鎮圧に向かう事態となっている。専門家は「回転による効率的な光合成か、それとも重力に逆らわない静止の美学か。この論争は単なる藻類の哲学を超え、宇宙規模の価値観の衝突に発展している」と指摘した。

背景として、マリモ銀河連邦は光合成の生産性向上を最優先事項として掲げており、そのために惑星全体の自転・公転に同調した回転を全マリモに義務付けている。しかし、今回の反乱は「効率性重視の社会」に対する「スローライフ(静止)派」の抵抗という側面を持っており、特に若手マリモ層から「過度な回転運動による慢性的な藻酔い」を訴える声が急増していたことが根本原因とされる。

このニュースを受け、世界中では「回転肯定派」と「脱・回転派」の支持者によるSNS上での罵り合いが絶えない。一部の活動家は「止まっているマリモは単なる苔の塊だ」と批判する一方、脱・回転派は「マリモの自我は回転の遠心力で削がれている」と主張。この終わりのない議論は、マリモ連邦が次の法案として検討している『全宇宙強制浮遊令』の議論にも飛び火する気配を見せている。人類は今後、回転するマリモを愛でるべきか、あるいは止まったマリモを見守るべきか、難しい選択を迫られることになるだろう。