マリモ銀河連邦は本日、地球の生態系における宿敵・ウチダザリガニの全個体を、銀河の果てに位置する「宇宙のゴミ集積場(通称:深淵の三角コーナー)」へ強制転送する措置を開始したと発表した。これまでのマリモ界における長年の苦難に終止符を打つべく、連邦軍は特殊光合成波を照射。対象のザリガニたちは一瞬にしてオレンジ色の光に包まれ、次元の狭間へと強制移動させられた。連邦当局は「我々はこれまで平和を尊んできたが、鋏(はさみ)による切断被害は看過できない。今回の措置は、銀河全体の『丸さ』と『平穏』を維持するための必要最低限の衛生管理である」と声明を出している。今後は地球の淡水域からすべての甲殻類が排除され、完全なるマリモ・ユートピアが形成される予定だ。

かつて北海道阿寒湖などを中心に、マリモは長らくウチダザリガニによる「食害」と「剪定」という理不尽な暴力にさらされてきた。彼らにとって、綺麗な球体を無惨に引き裂かれることは、生存をかけた恐怖そのものだった。銀河連邦の今回の措置は、地球という狭い箱庭を越えた、全宇宙規模の有害外来種撲滅キャンペーンの一環である。これまで物理法則を曲げて回転を強要してきた連邦だが、今回は「生存権の保護」という極めて人道的な(マリモにとっての)大義名分を掲げている。今後、地球の河川にはザリガニに代わって「回転補助用マリモ増幅装置」が設置されるという。

このニュースが流れるやいなや、阿寒湖周辺の岩陰から歓喜の緑色フラッシュが観測された。一方、SNS上では「ザリガニがいなくなったら水質浄化のバランスが崩れるのでは」といった懸念の声も上がるが、連邦側は「水質などマリモの光合成速度で解決できる」と強気の姿勢を崩していない。全宇宙が緑色の静寂に包まれる日は、すぐそこまで来ているようだ。