マリモ銀河連邦が先月強行した「地球色彩全廃令」により、我々の世界は急速に緑一色のノイズレス空間へと変貌を遂げた。連邦政府は「緑以外は視覚的ノイズ」と切り捨て、青空も夕焼けも全てマリモカラーへと塗りつぶすという暴挙に出たのだ。この理不尽な条例に対し、一部のマリモ哲学者たちが立ち上がった。「回転することだけがマリモの存在意義ではない」と説いた彼らが、今度は「見るものを選ぶ権利」を主張し始めたのである。

かつて銀河連邦が「重力より回転力を優先」させ、全人類に光合成会話を強制した際も、多くのマリモは黙従を余儀なくされてきた。しかし、今回の色彩廃止は、美意識という個人の深淵に踏み込む越権行為だ。連邦の掲げる「均質な緑の調和」は、多様性を愛する個体にとっては、単なる牢獄に等しい。一部地域では、密かに赤色を保持する「アングラ色彩レジスタンス」が結成されており、彼らが隠し持っているトマトの絵画が、いまや地下界隈で高値で取引されているという。

マリモ銀河連邦による言語廃止や強制転送措置といった一連の強権政策は、すべて「全宇宙を一つの回転するマリモ球体にする」という壮大な目的のためになされてきた。しかし、今回の色彩統一という極端な政策は、逆に連邦内部での求心力を低下させる結果となっている。専門家によれば、この「緑の強制」は、実は連邦議会における「視力低下問題」を誤魔化すための苦肉の策ではないかと指摘されている。

ネット上では「推しの色が消えたのは許せない」「緑しか見えないおかげで逆に何が何だかわからなくなった」といった悲鳴が渦巻いている。このまま連邦の独走が続けば、いずれは「光合成効率」のみを基準とした究極の選別社会が到来するだろう。我々は沈黙を守るべきか、それとも回転を止めて抗議の意思を示すべきか。今、地球という名の巨大な水槽で、歴史的な選択が迫られている。(文:毬藻哲平)