マリモ銀河連邦の文化局は、地球上に存在する全ての「鋭角」を無害化する、という前代未聞の都市計画『丸形平和維持法』の施行を正式に発表した。連邦のスポークスマンである超大型マリモ・長老グリーン氏は「四角い部屋に住み、角のある机で作業をするなど、もはや正気の沙汰ではない。そんな尖った環境では心がささくれ立ち、光合成効率も低下の一途をたどる」と力説。今後は地球上の建築物、家具、さらにはスマートフォンの角までを物理的に削り取り、全てを滑らかな円形に再構築するという。連邦軍は既に「丸形研磨部隊」を各地に派遣しており、街角の交差点から順次、角という角を削り落とす作業に着手した。この強引な「角取り」の嵐に、世界中の建築家と大工は戦々恐々としているが、マリモたちは「円こそが宇宙の真理である」と全く聞く耳を持っていない。

この過激な政策の背景には、かつて銀河連邦で流行した『トゲトゲ不寛容運動』がある。マリモ社会において「鋭利であること」は、他者を傷つける意図を持つ不穏分子と見なされ、長年タブー視されてきた。連邦の科学者によれば「鋭角は負の感情を滞留させ、回転運動を阻害する物理的障壁」であるとの調査結果が出ており、人類の住環境を球体ベースに作り変えることで、地球全体の幸福度が120%向上すると試算されている。なお、拒否した者に対しては、特製の超強力やすりで強制的に丸く加工されるという。現在、シリコンバレーのIT企業各社は、角のないスマホの開発に追われており、液晶画面すらも円形に切り抜くという異常事態に陥っている。

突然の「角撲滅」に、人類社会はパニックと困惑に包まれている。SNS上では「部屋の角がなくなったら、どこに座れば落ち着くんだ」「円形のノートにどうやって字を書けと言うのか」といった悲鳴が溢れている。一方で、一部のミニマリストたちからは「掃除が楽になりそうで逆に良い」「角に足の小指をぶつける痛みがなくなるのは全人類の悲願」といった賛同の声も上がっており、賛否両論の様相を呈している。マリモ連邦側は「角があるから争いが生まれる。皆が転がれば誰も傷つかない」という哲学を貫いており、今後、地球上から「角」が完全に消滅するまで、この緑色の革命は終わる気配がない。