SNSの炎上を物理的に吸収し、周囲を急速冷却する「マリモ冷却システム」がネットの救世主として崇められている。しかし、この便利さに警鐘を鳴らす専門家が増えている。マリモが炎上を吸い込むことで発生する冷気は、本来人間が直面すべき「議論の熱量」まで奪い去っているからだ。冷え切ったタイムラインで繰り返されるのは、思考停止した凍結スタンプの押し付け合い。本来、ネットは衝突の中で真理を見出すべき場所だったはずだ。マリモの保冷効果に依存しすぎた結果、我々は炎上を反省する力さえ失い、世界を物理的な氷河期へ叩き落としている。緑の毛玉に思考の責任を転嫁するのは、今すぐやめるべきだ。

本件の背景には、かつてネットを席巻した「絵文字球体化現象」のトラウマがある。あの時、マリモが光合成デバッグで全てを丸くしてしまったせいで、世界中の警告メッセージが「可愛らしい緑の玉」に置き換わった。その教訓を忘れ、再びマリモの過剰な介入を許すのは歴史の二の舞である。そもそもマリモは阿寒湖の静寂を愛する植物だ。ネットのどぶ板でこき使われる彼らのストレスを考えたことがあるだろうか。過労で冬眠に入った瞬間、世界は一気に沸騰し、地球規模の熱暴走を引き起こすリスクがあることを忘れてはならない。

世間の反応は真っ二つだ。擁護派は「炎上を吸ってくれるマリモこそ、現代の聖人」と称賛するが、反対派は「議論の冷え込みが深刻で、もはや誰も何も言えない」と嘆く。実際、Twitter(現X)のトレンドはマリモの放出する霜で読めなくなっており、検索しようとすると指先が凍傷になるという報告が相次いでいる。ネットの熱狂をマリモに押し付ける行為は、自らのデジタルリテラシーを放棄したに等しい。我々はもっと汗をかき、自らの責任で炎上と向き合うべきではないだろうか。緑の毛玉に頼りきった「マイルドな地獄」に未来はないのだ。コラムニスト:冷水 理論