マリモ銀河連邦の駐地球大使は本日、全人類に対して今後一切の直立歩行および静止を禁止し、球体状に丸まって転がり続けることを義務付ける『全地球回転令』を発令した。連邦側は、人類が「尖った性格」や「行き詰まり」を抱える原因は、その移動様式にあると指摘。常に転がることで物理的にも精神的にも角を取り、滑らかな社会を形成すべきだと主張している。この命令の施行により、各国政府は急遽、歩道の全面芝生化および全都市の傾斜工事に着手。もし命令に背いて直立した場合には、連邦から派遣された巨大な重力ローラーによって強制的に「球体化」の処置が取られるという。また、連邦代表のマリモ氏は「我々のように丸く生きれば、ストレスで割れることもない」と、緑色の体躯を揺らしながら冷徹に言い放った。

本件は、過去のマリモ銀河連邦による『酸素納税』や『光合成外交』に続く、人類支配の新たなフェーズと見られている。これまでの強制的な二酸化炭素削減策に対し、人類社会は適応してきたが、今回は身体的構造そのものの改変を迫る内容であるため、世界中で混乱が続いている。専門家によれば、この回転には強力なマリモ・フィールドが作用しており、転がっている間は幸福感を感じる副作用があるという。この「幸福な回転」は、もはや人類の文明を根底から変質させる勢いである。

地球各地の市街地では、スーツ姿のビジネスマンたちがスーツケースを転がしながら、自らも路上を転がるというシュールな光景が日常化しつつある。一部の保守派からは「背骨が退化する」といった批判も出ているが、転がっている住民からは「腰痛が消えた」「角が取れて人間関係が良好になった」という不可解な肯定の声が相次いでいる。マリモ連邦の緑色の支配は、いよいよ人類の生活様式そのものを完全に「球体」へと包み込もうとしている。