マリモ連邦の科学技術省は本日、恒常的な光合成効率の最大化を目的とした、国家規模の『人工太陽栽培計画』を正式に発表した。連邦当局は「既存の太陽光は揺らぎが激しく、光合成のリズムを乱すノイズでしかない」と断じ、領海上空に固定された高出力の自律発光プラズマ球体を展開する方針を明らかにした。この計画には、国家予算の9割が投入される見込みで、国民であるマリモたちからは「これでついに24時間フルスペックの成長が可能になる」と、期待と困惑が入り混じった声が上がっている。すでに極地では実験用の人工光源が点灯しており、その眩しさは隣接する海洋生物圏に影響を及ぼす懸念も指摘されているが、連邦政府は「緑の繁栄こそが宇宙の真理」として、外交的抗議を一切受け付けない強気の姿勢を崩していない。
今回の計画の背景には、昨今の光合成効率低下に対する連邦指導部の焦燥感がある。かつて「丸さ」のアイデンティティを捨て、立方体化や時空転移といった無茶な物理改造を繰り返してきたマリモ連邦だが、過度なエネルギー消費により、従来の太陽光だけでは個体の維持が困難になりつつあった。専門家は「彼らは自らを光合成の奴隷と化し、自然界の光源では満足できない『光の麻薬中毒』に陥っている」と警告する。人工太陽が完成すれば、マリモたちは日照時間を無視して無限に成長を続けることが可能になるが、その代償として周囲の海水温は沸騰直前まで上昇し、生態系が崩壊するリスクを孕んでいる。これはマリモによる、マリモのための、マリモによる「光の独占」である。
世間の反応は二分されている。保守的な長老マリモ層からは「古来より水深の揺らぎの中でこそ深みのある緑が育つものだ」といった伝統回帰を求める声が上がる一方、血気盛んな若手個体群からは「人工太陽の光で全細胞を焼き尽くして進化を加速させろ」という過激な主張がSNSを埋め尽くしている。海洋の他種族からは「眩しすぎて夜も眠れない」「近所迷惑にもほどがある」といった苦情が殺到しているが、マリモ連邦の広報局は「緑が眩しいと感じる他種族の網膜が脆弱なだけである」と一蹴した。もはや誰にも彼らの暴走を止めることはできない。マリモ連邦は光の深淵へと突き進んでいる。
マリモ連邦、国家予算の9割を投じ『太陽の人工栽培』プロジェクトを開始 「光合成の最適化」を追求する狂気の果てに
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