マリモ連邦政府は、長年の夢であった宇宙進出に向けた「銀河転がり出し計画」の始動を宣言した。これまで湖底の平穏を愛してきた国民に対し、科学省は「重力に縛られ続ける時代は終わった」と力説。今回発表されたのは、体内の酸素を急激に逆噴射させることで、自らの球体を時速数千キロの超高速回転体に変化させ、地球の引力を振り切るという前代未聞の戦略だ。すでに打ち上げ予定地として選定された阿寒湖中央部では、数百個の精鋭マリモが連日、遠心力訓練に勤しんでいる。宇宙空間の無重力下であれば、誰にも邪魔されず、理想の「真球」を維持できるという理論に、連邦内の保守派からも期待の声が上がっている。
本計画の背景には、昨今の水温上昇と、執拗に絡まりついてくるマツモ軍団の勢力拡大がある。政府発表によると「今のままでは連邦の丸みが角張ってしまう」との危機感が強く、物理的な距離を置くための苦肉の策として今回の宇宙移住が浮上したという。技術的な課題である「宇宙線による乾燥」に対しては、ゼリー状の極厚コーティング剤を開発済み。また、着陸先の月面については、既に先遣隊が「ここなら転がり放題だ」と観測データを送信しており、銀河レベルでの領土拡大に意欲を見せている。
この驚天動地のニュースを受け、湖底市民の間では「月へ行けば永遠に転がれるのか」と歓喜する若年層と、「寒すぎないか」と現実的な懸念を抱く高齢層の間で激しい議論が巻き起こっている。SNS上では「宇宙マリモの自撮りが見たい」「月を緑色に染めようぜ」といった応援投稿が相次ぐ一方で、一部の物理学者マリモからは「逆噴射の衝撃で体が崩壊するリスクがある」との警告も出されており、計画の安全性を問う緊急公聴会が急遽開催される見通しだ。
世間からは「月面に降下した際、クレーターに挟まって出られなくなる未来が見える」「これこそが我々の悲願!地球のルールに縛られるな!」「宇宙服はどうするんだよ、ただでさえ脆いのに」「マツモがいない環境なら、多少の被爆は許容範囲内では?」「これって結局、帰還するつもりはない片道切符ですよね?」といった、悲喜こもごもな反応が寄せられている。
マリモ連邦、国家の威信を懸けた『高速回転・逆噴射式』での宇宙進出計画を発表――月面を緑の聖域へ
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