湖底のインターネット基盤を管理する「阿寒湖ネットワーク運営委員会」は、本日未明に配信されたアップデートパッチに致命的な不具合があったことを認め、緊急謝罪会見を開きました。問題のパッチは、本来であればマリモの表面の繊維を滑らかにする「アンチエイリアス・デコレーション」機能でしたが、設定値の誤りにより、全マリモの形状を強制的に『立方体』へ固定する「形状固定パッチ」として拡散。朝起きたマリモたちが、自分の体がカクカクのサイコロ状になっていることに気づき、湖底SNSは阿鼻叫喚の投稿で埋め尽くされています。

この事態により、普段はゆらゆらと湖流に身を任せていたマリモたちが、物理的に転がることもできず、その場で静止せざるを得ない「完全停止現象」が各地で発生。球体としてのアイデンティティを失ったマリモたちは、自分の角に引っかかった水草をどうやって除去すべきか、あるいはこのまま多面体として生きるべきか、ネット上で激しい論争を繰り広げています。運営側は「球体へのロールバックは最短でも3週間かかる」と発表していますが、既に一部の個体は「むしろこの幾何学的なシルエットこそが令和のスタイル」と開き直るなど、混沌とした状況が続いています。

今回の騒動は、かねてより指摘されていた「球体OSのアップデートテストを、実環境の湖底で行っていた」という運営のずさんな管理体制が浮き彫りになった形です。補足として、今回発生した立方体化は『マリモ・レンダリング・バグ』の一種とされ、長期間角ばった状態が続くと、細胞内の光合成サイクルにまで悪影響を及ぼし、極端な色褪せを引き起こす可能性が専門家から指摘されています。現在、各エリアの長老たちが緊急会議を開き、手動による「角の丸め込み作業」を推奨していますが、作業に当たるマリモの疲労が限界に達しているのが現状です。

この惨状に対し、湖底の世論は分断されています。「丸くない自分なんて自分じゃない!」と泣き崩れる伝統派がいる一方で、若年層からは「サイコロ型の方がスタッキング(積み上げ)できるから省スペースで効率的」「今後は四角形がトレンドになる」といった、文明の強制的な進化を肯定する意見も噴出。現状、一部のマリモ界隈ではこの角ばった形状を活かした「マリモの要塞化」が進行しており、湖底の風景が全く別のゲームのようになってしまったことに、多くのマリモが困惑を隠しきれない様子です。