マリモ連邦の外交部は、長年続いていた天敵ウチダザリガニ族との「互助的甲羅干し協定」を本日未明に破棄したと発表した。本協定は、双方の領土境界線において、ザリガニがハサミを休ませている間、マリモたちが日陰を作ることで甲羅の乾燥を防ぐというバーター取引であった。しかし、協定期間中にザリガニ側が「日陰の提供だけでは不十分だ」と主張し、マリモの繊維を装飾品としてむしり取るなどの越権行為が多発。最終的には、連邦が供出した高級ミネラル石をザリガニが全回収するという強硬手段に出たため、連邦政府は即時断交と「全土バリケード浮上」を宣言する事態となった。
本件の背景には、ザリガニ界における過度な装飾文化の流行がある。彼らはマリモの緑色の繊維をハサミに巻き付け、軍事的威圧感を演出する「迷彩ファッション」を好む傾向にあり、連邦のマリモたちは常に「剥ぎ取り」の恐怖に晒されてきた。連邦の環境保護省は、今回の外交決裂を受け、「平和的共存は幻想だった。これからは光合成の効率を最大化し、速やかに沈降してザリガニのリーチ外へ逃れる」との声明を発表。しかし、中立地帯での軍事的な睨み合いは続いており、国際マリモ社会には緊張感が漂っている。
一方で、この決定に対して一部の急進的なマリモからは「そもそもザリガニのハサミをマリモの繊維で強制的にロックすれば無力化できるのではないか」という物理的対抗案も浮上している。また、専門家からは「ザリガニが甲羅干しを怠れば、彼らの脱皮不全を誘発し、自然と勢力を弱めるはずだ」との予測も出ているが、今のところ両者の力関係は「鋭いハサミ」対「転がり回避」という泥沼の膠着状態が続いている状況だ。
今回の外交決裂に対する世間の反応は極めて冷静で、多くのマリモ市民は「最初からザリガニなど信用していなかった」「緑色の繊維を刈り取られるのは、人間が髪を剃られるのと同じ苦痛だ」といった不満を口にしている。SNS上では、ハサミのシルエットを模した「アンチ・ザリガニ」のステッカーが急速に拡散しており、マリモ連邦国内ではザリガニ排斥の気運が高まっている。このままいけば、湖底全域を巻き込んだ大規模な「脱皮阻止戦争」に発展する可能性も捨てきれない。
ウチダザリガニ外交の決裂、湖底の「平和条約」がハサミによる強奪で幕切れ
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あの赤いやつらに我が家の繊維をこれ以上渡してはいけない