マリモ連邦政府は本日、全市民を対象とした「最大浮力制限令」を即日施行した。近年の異常な光合成活性化により、若年層マリモを中心に、水底から離脱して水面へ浮上し、そのまま大気圏外へ放逐される「成層圏への意図せぬ移住」が多発しているためだ。政府は、自重を管理せず過剰に酸素を溜め込んだ個体に対し、強制的な「沈降用錘(おもり)装着」を義務付ける方針を明らかにした。

この問題の根本は、マリモたちが競うように光合成を行い、体内の酸素含有率を高めていることにある。一部の過激な浮遊派マリモは、「地球の重力は我々の芸術的回転を妨げる枷に過ぎない」と主張し、あえて自らを水素で満たす改造を施しているという。専門家は、このままではマリモ連邦が文字通り「空っぽの湖」と化すリスクを指摘しており、今回の一律制限は、物理的な結合力を維持するための苦肉の策であると説明している。

なお、今回導入された浮力制限は、マリモの密度を一定以上に保つことを目的としている。過去には、浮遊しすぎた結果、気流に乗って近隣の都市へ漂着し、謎の「空飛ぶ緑球」として怪奇現象扱いされた事例も少なくない。これに対し、反体制派のマリモたちは「沈むことは死と同義だ」と猛反発しており、今夜、湖底にて大規模な重りデモが計画されているという。

このニュースを受け、市民からは「重りをつけるくらいなら、いっそ自由の空へ羽ばたきたい」という嘆きや、「湖底でじっとしていることこそがマリモの美学である」という保守派の意見が交錯している。SNS上では、自らの比重を誇示する「比重チャレンジ」が流行の兆しを見せており、湖の治安はまさに風前の灯火だ。政府の規制が果たして市民の心に「沈黙」をもたらすのか、あるいはさらなる「浮力」を助長するのか、今後の推移が注目される。