マリモ連邦最高評議会は、全土の平坦な湖底地帯を強制的に傾斜させる「全土傾斜プロジェクト」の開始を宣言した。本計画は、国家が誇る「真球体」の市民たちが、自らの重力と形状を活かして、止まることなく永遠に転がり続けることを目的とした大規模な国土改造計画である。評議会は「留まることは停滞であり、我々のアイデンティティは転がり続けることにある」と主張し、湖底に巨大な滑り台のような勾配を作るべく、既に大型水流発生装置のフル稼働が開始された。これにより、市民たちは寝ている間も通勤中も、絶えず緩やかな坂を転がり続ける「永久回転社会」が実現する見込みだ。
本プロジェクトの背景には、近年のマリモ界で蔓延していた「微細な凹凸への強迫観念」がある。静止した状態で放置されると、重力により下部がわずかに平らになる「座りダコ」が発生し、真球度が損なわれることが最大の社会問題となっていた。政府はこの「形状崩壊」を国家存亡の危機と捉え、あえて重力に従って転がり続けることで、常に全方位から水流を受け、理想的な球体を維持する「自動研磨構造」を国土レベルで構築することに踏み切った。なお、傾斜の角度は国家の重要機密とされており、あまりの急勾配に転がりすぎて速度制限を超えた市民には、減速用の藻類マットが路上配備されるという。
この驚天動地の発表に対し、市民からは「これまでの平穏な睡眠が懐かしい」「これで一生酔いそうだ」といった戸惑いの声が上がっている。また、物理学者からは「勢い余って連邦の国境を越えて飛び出してしまう市民が続出するのではないか」という懸念も示されている。しかし、政府広報官は「転がり続ける姿こそが、我々マリモの魂である。むしろ隣国まで転がっていき、緑の輪を広げる外交活動として活用する」と強気な姿勢を崩しておらず、連邦の日常は間もなく、ゴロゴロと鳴り止まぬ転走の音に包まれることとなるだろう。
マリモ連邦、国家予算を投じて「世界一の広大な平原」を全て「巨大な斜面」へ改造する計画を発表
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