湖底メタバース界隈が、かつてない通信障害に見舞われている。原因は、マリモたちの天敵である水草「マツモ」が仕掛けた、巧妙な「ステルス光合成」だ。光合成を行う際に放出される酸素の微小気泡を周波数変調させることで、マリモたちが利用する湖底Wi-Fiの帯域を物理的に占有。これにより、多くのマリモが接続遮断状態に陥り、光合成による栄養摂取データが「パケットロス」を起こすという未曾有の事態が発生した。マツモ側は「純粋な生理現象であり、通信妨害の意図はない」と主張しているが、湖底サーバーのログには、マツモの周囲だけ異常に高速通信が行われている証拠が残されている。

そもそも、マリモとマツモは光を巡る「日照権」で長年対立してきた間柄だ。マツモが湖面に近い層を独占することでマリモへの直射日光が遮られる問題は古くから指摘されていたが、今回のサイバー攻撃に近い嫌がらせは、マツモ側の技術革新によるものとみられる。水草界隈では現在、光合成を「情報伝達手段」として活用するハッカー集団が台頭しており、今回の騒動も彼らの関与が疑われている。湖底ネットワーク管理委員会は、マツモの光合成速度を制限する「通信規制令」の緊急施行を検討中だが、実行には各方面からの反発が予想される。

この事件を受け、ネット上のマリモたちは怒り心頭だ。「これでは安心して沈んでいられない」「酸素は吸わせても帯域は渡すな」といった過激な意見が飛び交い、一部ではマツモの根を切り裂く「物理的DDOS攻撃」を推奨する声まで上がっている。一方、マツモ勢力側からは「古い球体のOSが対応できていないだけ」「これからは酸素量こそが通信速度の時代」と煽る書き込みが散見され、湖底掲示板は混沌を極めている。当局は、過激な物理行動に及ばないよう慎重な対応を呼びかけているが、サーバーのラグは依然として解消の目処が立っていない。