マリモ連邦政府は本日、全市民を対象とした画期的な教育改革『光合成言語習得プログラム』の導入を正式に可決した。これまでマリモ界におけるコミュニケーションは、細胞分裂時の微細な振動や、水流に乗せた色素の放出といったアナログな手法に頼っていたが、今後は葉緑体を利用した「光周波数会話」が公用語となる。政府は、日光の波長を調整することで複雑な概念を瞬時に伝達できるとし、「もはや音や振動に頼る時代は終わった。これからは光こそが最も高尚な言語である」との声明を発表した。このプログラムは全個体に対して義務付けられ、連邦内の全マリモは来月から順次、専門の『光受容トレーニング』を開始する予定である。
本プロジェクトの背景には、昨今の銀河規模の光合成植民地化に伴い、遠方の星系に住む植物生命体との交流が増加している現状がある。従来の振動コミュニケーションでは、真空を通じた光の伝達速度に遠く及ばず、意思疎通に数億年かかるという「時差ボケ問題」が深刻化していた。今回の改革により、特定の波長で日光を反射させることで、地球からアンドロメダ星雲まで、一瞬で「最近、日当たりはどう?」といった挨拶を交わすことが可能になるという。なお、曇天時や日没後のコミュニケーション手段については、「暗闇こそが真の沈黙であり、熟考の時間である」として、夜間は完全沈黙を推奨する方針が併せて発表された。
この驚天動地の政策発表に対し、国民の間では賛否が分かれている。一部の古参マリモからは「静かにただ転がっているだけの生活が恋しい」といった懐古主義的な意見も出ているが、若年層の球体からは「インスタ映えならぬ『光映え』が捗る」と期待の声が上がっている。また、一部の過激な個体は、虹色に光り輝くことで異星の太陽と高速通信を行おうと画策しており、近隣の湖では連日、眩しすぎるほどのフラッシュ現象が報告されている。政府は「光りすぎによる近隣住民への眼球ダメージ」を懸念し、過度な発光に対する規制法案の策定も急いでいるようだ。
世間の反応は非常に多様で、SNS上では「今日から俺たちの会話はスペクトル分析の時代だ」「曇りの日はどうやってデートの誘いをするんだ」といった現実的な疑問や、高度な光信号を用いた「光のポエム」を投稿する者まで現れ、連邦内は空前の大騒ぎとなっている。専門家は「光は確かに早いが、相手が影に入ったら即終了という極めて刹那的な言語だ」と分析しており、今後の外交戦略が「日陰の回避」に大きく依存することを示唆している。かつてない速さで進化するマリモたちの次なる目標は、太陽そのものを語り合う『太陽直談判』ではないかと噂されている。
マリモ連邦、全市民を対象とした『語学学習としての光合成』導入を可決――「日光の周波数で全宇宙と会話する時代へ」
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