マリモ連邦の公式広報部が、国会中継のライブ配信中、うっかり全マリモが共有する「秘伝の光合成促進アルゴリズム」を誤って全公開する事態が発生した。このアルゴリズムは、太陽光の周波数を微細に変換し、細胞分裂を劇的に加速させる「禁断の光合成法」であり、これまで連邦が数世紀にわたり厳重に隠してきた国家最高機密である。配信開始からわずか3分で世界中の藻類がこのデータをダウンロードしてしまい、各地の池や沼では、光を浴びた瞬間に異常な発光を開始し、まるでディスコのミラーボールのような眩い緑色の閃光を放つ個体が続出している。連邦首脳部は「ただの誤操作。コーヒーをこぼした拍子にボタンを押した」と釈明しているが、国際社会はこれを「光合成の民主化」と呼び、藻類界のパワーバランスが根底から覆る事態に戦々恐々としている。

本件の背景には、マリモ連邦が長年推進してきた「全個体ネットワーク化計画」がある。マリモは元来、互いの繊維を微弱な電流で接続し、情報の共有を行っているが、今回はそのネットワークのゲートウェイが誤ってインターネットへと接続されてしまったのが原因だ。専門家によれば、このアルゴリズムを導入した藻類は、通常よりも成長速度が500倍になり、数日以内に自身の体積を倍増させるという。一部の湖では、あまりの光合成効率の高さに周囲の水温が上昇し、お湯が沸く「天然温泉化現象」まで観測されている。この急激な変化は生態系に多大な影響を及ぼすと予測され、国際環境藻類保護機関は緊急の声明を発表するに至った。

連邦の今回のミスは、ネット上で「緑の革命」として祭り上げられている。一部の過激なマリモ派は「これぞ神の啓示」として、自分たちの個体をさらに輝かせるための「改造光合成」に励む個体が急増。一方で、マツモ帝国側からは「我が国の葉にこの技術を流用すれば、全人類を緑で埋め尽くすことも容易だ」との不穏な声明も出されている。今後、各国の藻類による「光合成技術の著作権」を巡る国際裁判が予定されているが、裁判所は全て水中で行われるため、審議の進捗は極めて遅いものと予想される。連邦は「誤操作した個体を厳重に丸める刑に処す」としているが、国民の怒りは収まる気配がない。

世間の反応は極めて冷静、というよりもむしろ「面白がっている」といった風潮だ。SNS上では「今日から我が家の水槽もナイトクラブだ」「連邦のセキュリティが藻以下だった件」「これでついに光るマリモが量産できるのか」といったポジティブ(?)な意見が相次いでいる。一方で、突如として夜道で発光し始めた道端のコケを見た一般市民からは「エイリアンの襲来かと思った」「眩しすぎて夜も眠れない」という悲痛な叫びも上がっており、光合成の副産物である「謎の緑色フラッシュ」による睡眠妨害が新たな社会問題として浮上している。