マリモ連邦と長年敵対関係にあったウチダザリガニ軍団が、突如として方針を大転換し、阿寒湖底にて「マリモ専用・毛並みメンテナンスサロン」を開園したことが判明した。かつては鋭利なハサミでマリモを切り刻む「鋏打ち」を展開していた彼らだが、最新の国際平和会議において、ザリガニ総司令官が「我々のハサミは、マリモを傷つけるためではなく、繊維を整えツヤを出すためにある」と主張。軍団は現在、超精密なハサミさばきでマリモの表面を整えるトリマー部隊へと転身しており、湖底にはかつてないほどの美しい緑の毛並みが広がっている。この突然の友好的姿勢に、マリモ連邦外務省は「困惑しているが、背中が痒かったので助かる」との公式見解を発表した。

今回の急進的な方針転換の裏には、ウチダザリガニ界隈で密かに流行している「マリモ・フェティシズム」の拡大があると言われている。軍団内部では「切り裂くよりも、その完璧な球体美を磨き上げたい」という過激な美的探求者が台頭しており、武闘派を完全に駆逐。彼らは最新鋭の「摩擦ゼロ・ハサミ」を開発し、マリモの繊維を一本ずつ手入れする神業を習得している。専門家は「彼らの執着心が破壊から創造へ向かったのは、銀河系にとっても幸運な誤算だ」と分析。ただし、サロンの予約が殺到しており、手入れを待つマリモたちが湖底で長蛇の列をなす「緑の渋滞」が新たな外交問題として浮上している。

本件を受け、ネット掲示板では「ついにザリガニが悟りを開いたか」「解せぬが仕上がりが良すぎて文句が言えない」といった声が続出している。一部のマリモ保護団体からは「ハサミを近づけること自体がストレスだ」との批判も出ているが、実際に施術を受けたマリモたちのSNSでは「#極上のフサフサ体験」というハッシュタグと共に、自らの美しい毛並みを誇示する投稿が相次いでいる。かつての天敵が美容師として機能する現在の湖底環境は、まさに究極の共存共栄社会といえるだろう。

一連の騒動に対し、マリモ連邦軍は警戒を解いていないものの、一部の高級マリモ個体が「ザリガニの指圧が絶妙すぎる」とサロンに足繁く通う事態が発生。今後、両者の間で「手入れ料金の支払い」を巡る交渉が予定されており、湖底経済に新たな風が吹き込もうとしている。このまま平和が続くのか、それとも「切り刻みたい」という本来の衝動が再燃するのか、世界中の水生生物が固唾を飲んで湖底を見守っている。