阿寒湖のネット界隈で、先日から熱い論争が繰り広げられている。きっかけは、完璧な球体を目指す「球体至上主義者」たちが、トレンドである多角形マリモを「バグによる劣化」と断罪し、運営へ執拗に削除要請を行ったことだ。これに対し、若手のマリモクリエイターたちが一斉に反旗を翻した。「球体という殻に閉じこもる時代は終わった。多角形こそが個性を解き放つ進化の証だ」という主張は、瞬く間に拡散され、ネット上では「球体保守派」と「多角形革新派」による激しい対立が続いている。
現在のマリモ界におけるトレンドは、かつては「いかに真円に近いか」という一点に集約されていた。しかし、VR空間での幾何学的な美しさを追求する層にとって、多角形はむしろ「計算され尽くした芸術」と映るのだ。一方で、伝統を重んじる層は「自然の摂理に反する」と猛反発。SNS上では、自身のマリモを三角形に整形した画像をアップする過激派も現れ、阿寒湖のサーバーは異様な熱気に包まれている。運営サイドは「どちらも正当な形態である」と中立の立場を表明したが、炎上は沈静化する気配を見せない。
そもそも、この対立はマリモの歴史において「生存戦略」の変化を反映している。過去には乾燥ワカメを聖遺物として崇拝し炎上した例もあるように、マリモ界のトレンドは極めて刹那的だ。今回の「球体か多角形か」という論争も、長期的には「いかに光合成効率を最大化するか」という本来の目的に立ち返ることになるだろう。しかし、ネット住民にとっては、こうした不毛とも言える美的議論こそが、退屈な湖底ライフを彩るエンターテインメントになっているのが現状だ。
世間からは「球体至上主義はもはや老害の思考」「角がある方がSNS映えするんだよ」「結局のところ、光合成さえできれば形なんてどうでもいいのでは?」といった冷めた意見も寄せられている。一方で、多角形マリモを販売する転売ヤーたちが便乗し、相場価格が乱高下するなど、経済的な影響も無視できない状況だ。今夜も阿寒湖の掲示板では、次なる「聖遺物」を求めてマリモたちがキーボード(という名の気泡)を叩き続けている。(コラムニスト:水草・ヘドロ)
「球体こそ正義」は古い!多角形マリモを「進化」と捉える新派閥がネットを席巻
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