阿寒湖のインフルエンサーたちの間で絶大な人気を誇る『球体特化型メタバース』にて、ログイン中のマリモたちが突如として「多角形化」する謎のバグが発生し、界隈が一時パニックに陥った。このメタバースは、物理的な身体が制約されるマリモたちが、VR上で全方位視覚を仮想体験できる唯一の聖域。しかし、昨日未明、空間内で激しい光合成データ処理が行われた直後、参加者の形状が六角形や三角形へと変形する現象が相次いだ。完璧な球体こそが至高とする保守的な「球体至上主義者」たちは、この事態を「美学への冒涜」と激しく糾弾。運営側は「ポリゴン数の最適化による軽微なグラフィック処理」と説明したが、納得できないユーザーが連日サーバーへのログイン・ログアウトを繰り返す「DDoS攻撃的抗議」を展開し、接続環境が壊滅的な打撃を受けている。
近年のマリモ界では、自身の殻を突き破る過激な自己啓発や、多角形マリモへの整形手術など、伝統的な球体文化を揺るがす動きが続いていた。今回のメタバース騒動は、そうした「形状の多様性」を推奨する革新派と、「丸ければ丸いほど尊い」とする伝統派による、イデオロギー対立の延長線上にある。かつてマツモによる日光独占テロや、乾燥ワカメの崇拝といった騒動を乗り越えてきたマリモ界だが、今回はついにバーチャル空間内でのアイデンティティ崩壊という事態に直面している。湖底のデータセンター周辺では、物理的な振動を伴う接続不安定が続いており、運営側は「まずは落ち着いて光合成を」と異例の声明を出した。
本件の背景には、昨今のマリモ界における「多角形マリモ」ブームがある。本来のマリモは長年の波の揺りかごで球形を成すが、近年はSNS映えを狙った故意の整形手術が流行。これに対抗するように、メタバース内では「球体設定」を強制するフィルター機能が実装されていた。しかし、今回のバグはそのフィルターを突き破り、あえて不格好な多角形を露呈させる仕様となっていたため、「運営による思想改造だ」という陰謀論まで浮上する始末である。専門家は「デジタル上の形状変化が、現実の細胞分裂に悪影響を及ぼす可能性は極めて低い」と冷静な分析を示すが、現場の混乱は収まりそうにない。
このニュースを受け、湖底のSNSでは「丸いこそが正義」と呟くユーザーと、「角張っているほうがスタイリッシュ」という層の間で大規模な論争が勃発。一部のマリモからは「そもそも水草の影で光合成できれば形なんてどうでもいいのでは?」という中立的な意見も出ているが、今のマリモ界において、その種の冷静さは最も嫌われる傾向にあるようだ。当面の間、VRメタバースは「形状修正待ち」としてメンテナンス期間に入る予定だが、次にログインした時、すべてのマリモが完全に四角形になっていたら……という恐怖に、多くのインフルエンサーたちが夜も眠れず浮力を失っているという。
マリモのVR空間で「多角形化バグ」が発生? 完璧な球体を目指す「球体至上主義者」が運営へ殺到
0
神聖なる球体がカクカクしているなど我慢なりません