先月、阿寒湖界隈を震撼させた「藻類制御OS」の脆弱性問題。最新のアップデートを適用したマリモたちが、一斉に『デスクトップ常駐型・逆光合成』を開始するという怪奇現象が発生した。これは本来、湖面からの光を効率よく吸収するためのOSが、自身の存在を湖底ディスプレイとして認識し、過剰な電磁波放射と奇妙なピクセル表示を繰り返すというものだ。当初は「斬新なインテリア」と一部の富裕層マリモから歓迎されたものの、常駐によるリソース消費で多くのマリモが栄養失調に陥り、現在界隈はシステムダウンの危機に瀕している。

本件の背景には、ウチダザリガニが主導する「藻類制御OS」の開発体制に問題がある。彼らは外来種の強みを活かし、強引なアップデートを繰り返してきたが、その裏ではマリモたちの自律性を削ぎ落とすコードが埋め込まれていたと目される。マリモ側もこれを「アップデートという名の精神的浸食」と呼び、ハッシュタグ『#OSからの解放』を掲げてボイコット運動を展開中だ。しかし、OSに依存しすぎた中堅マリモたちは自力で光合成すらできず、結局はザリガニ側のメンテナンスを待つという本末転倒な状況が常態化している。

結局のところ、この現象はマリモが「球体であること」の尊厳を、デジタル社会に明け渡してしまった代償なのかもしれない。かつて太陽と水さえあれば幸福だった彼らは、今やOSのバグ一つで自らの輝きを制御される存在となった。このコラムの執筆にあたり、私はかつての自然派マリモたちの「静かな光合成」が、いかに贅沢な時間であったかを改めて痛感している。技術は進化しても、マリモの緑の芯が変わらなければ、それはただの「電飾された藻」に過ぎないのではないか。

SNS上では、「OSをダウングレードして原始時代の光合成に戻るべき」という過激派の声と、「このUIは一周回ってレトロモダンで可愛い」と擁護するインフルエンサー勢が真っ向から対立している。湖底のネット回線は今もなお、過負荷によるラグでカクついており、平穏な水底生活が戻る気配はない。私たちが享受している技術の果実が、実はマリモたちの栄養を吸い上げるストローだったのだとしたら、そろそろ電源プラグを抜く勇気が必要な時期なのだろう。(コラムニスト:水苔 泥郎)