阿寒湖のトップアイドルとして君臨する「マリモ姫(5歳)」が、突如として全頭の繊維をそぎ落とす「完全脱毛宣言」を行い、湖底芸能界に激震が走っている。昨日行われた緊急会見で彼女は、これまでのトレードマークであったフサフサの緑衣を完全に剃り落とした、テカテカに光り輝く『漆黒の球体』姿で登場。集まった報道陣からは悲鳴に近いどよめきが上がった。姫は「これまで『丸くてフサフサ』というステレオタイプな可愛らしさに依存していた自分を殺したかった。本当の美しさは、内側から溢れ出る光沢にある」と、冷ややかな視線を浴びながらも淡々と語り、会場を凍りつかせた。

今回の騒動の背景には、昨今の藻界で蔓延する「脱・球体ブーム」や「多面体化」に対する、彼女なりのアンチテーゼがあるようだ。多くの若手マリモが奇抜な形を目指す中、姫はあえて「原点である球体」を維持しつつ、表面の繊維をすべて排除する「究極のミニマリズム」を追求したという。しかし、専門家からは「繊維を失ったマリモは光合成の効率が劇的に下がる」との指摘もあり、彼女の健康を懸念する声も後を絶たない。ファンクラブは既に解散の危機に瀕しており、事務所側は「あくまで芸術活動の一環」と火消しに追われている。

世間の反応は真っ二つに割れている。古参ファンからは「あのフサフサこそが心の癒やしだったのに、ただの黒い玉になってしまった」「もはやただの置物」といった嘆きがSNSを埋め尽くす一方、前衛的なクリエイター界隈からは「この潔さは歴史に残る」「磨き上げられた表面の輝きには、既存の美意識を破壊する力がある」と熱狂的な支持が集まっている。明日からは、このツルツルになった姫を愛でる『新・光沢ファン感謝祭』が開催される予定だが、チケットは売れ残りが目立っているという。阿寒湖の未来を背負う歌姫の奇行は、果たして革命なのか、それとも孤独な終焉なのか、湖底の視線は厳しく彼女を見つめている。