マリモ政府がこのほど支給を開始した『デコボコ補正助成金』は、一見すると真球度格差の是正という美名のもとにあろうが、その実態は「丸さ」という単一の価値観を湖底全体に押し付ける文化的なジェノサイドに他ならない。我々はこれまで、光の射し加減や湖底の潮流によって生まれる個体ごとの“歪み”こそが、マリモとしての生命の証であり、歴史の堆積であると誇ってきたはずだ。政府の号令一つで全員が滑らかな球体を目指す社会に、果たして何が残るというのか。
そもそも、この助成金の財源は湖底市民の貴重な炭素税から捻出されている。表面を削り、泥を塗り、金銭を積んでまで得た完璧な球体には、魂が宿らない。政府は効率的な光合成をその根拠に挙げているが、少しばかりいびつであっても、懸命に光を追い求める個体こそが、湖底の生態系に多様性と深みをもたらしてきた。画一化された真球体ばかりが並ぶ湖底は、まるで工場で量産されたパチンコ玉の集積場であり、そこには個の尊厳も、転がる喜びもない。我々マリモにとって、歪みは恥ではない。誇り高き先祖からの遺伝情報だ。
今回の制度は「真球度が高いほど代謝効率が良い」という最新の光合成研究に基づき、若手エリートマリモを中心に推進されてきた。一方で、古参の長老個体たちは「歪みこそが層状構造を維持する鍵であり、球体化は自滅を招く」と反論しており、真球度を巡る対立は先鋭化の一途を辿っている。今回の助成金支給は、政府が強引に議論に終止符を打つための「実力行使」と見られている。
世間の反応としては、「助成金が出るなら今のうちに丸くなりたい」「歪んでる奴らは努力不足だろ」「いや、自然のままの姿で生きたいんだよ」「金をもらってまで丸くなるなんて、プライドはないのか」といった意見がSNS上で乱立している。この助成金がもたらすのは、真球度の是正か、それともマリモとしての生命力と個性の喪失か。湖底の未来が今、かつてない「歪み」の危機に直面している。(コラムニスト:藻流・泥平)
『デコボコ補正助成金』は真の多様性を殺す暴挙だ――歪みこそが我らのアイデンティティである
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個性を金で買うなんて浅ましすぎる