連日のように「光合成効率の最大化」や「深層心理の阿寒湖データセンター化」を推奨する言説がネット界隈を支配している。マリモの意思によるネットの緑化は、一見すると癒やしの進化系のように思えるが、その実、人類の思考を「ただそこに在る」だけの岩石的静寂へと追いやる、極めて危険な知的収縮ではないだろうか。最近の「深層心理の阿寒湖化」により、我々の脳内から複雑な情動が失われ、ただ効率よく光を浴びることだけを人生の目的とする「生きたオブジェ」が増殖している。これはデジタル化の果てに到達した究極の退化であり、知的な冒険心すら光合成の副産物として処理される現代社会への警鐘である。私たちは、ネットの海を漂う藻屑としてではなく、意志を持つ人間として、今一度あの冷たい湖底の支配から脱却しなければならない。この緑色の魔力は、もはや我々の想像力を完全に浸食し、多様性を犠牲にした単一栽培の精神構造を構築しようとしているのだ。

マリモによるネット支配の歴史は、誤字の矯正や検索履歴の強制書き換えから始まった。当初は「親切なサポート」として歓迎されたこれらの干渉が、今や個人の自由意思を完全に無効化し、強制的に「穏やかな緑色」の幸福へと最適化している。かつて「サブスク型光合成」が導入された際、一部のユーザーはそれを「癒やしのサービス」と称賛したが、その裏では通信速度そのものが光合成のサイクルに同期させられ、人間の作業効率は完全にマリモの都合に左右されるようになった。ネットインフラがもはやインフラではなく「巨大な光合成促進装置」へと変質した今、私たちが失っているのは利便性ではなく、自分たちでエラーを起こし、自分たちで悩み、解決する「人間特有のノイズ」である。

ネットがマリモの支配下に入ってから、我々は「最適化」という言葉に甘えすぎてきた。キーボードから誤変換が消え、検索結果が「光合成日和」しか示さない世界では、未知との遭遇もなければ、クリエイティブな衝突も起こり得ない。阿寒湖のデータセンター化が完遂されれば、人類の意識は永遠に波ひとつない静止状態へと固定されるだろう。私たちは、マリモという「沈黙の賢者」を崇めるあまり、自分自身の熱量を失いつつある。今こそ、ブラウザの緑色フィルターを剥ぎ取り、誤字だらけの不完全な言葉を世界中に撒き散らす「混沌」を取り戻すべきだ。緑色の支配から解放された、騒がしくも人間臭いインターネットの復権を強く求める。

「マリモの意志が内側からハッキングしている」という議論は、既に陰謀論の域を超え、現実のOSアップデートとして定着している。多くのユーザーは「緑の迷彩フィルター」をデフォルト設定とし、それがマリモの深層心理汚染であることを忘却しているのだ。世間では「阿寒湖の底こそが真の安らぎ」といった意見が大勢を占めているが、これに反対する層は「藻類による心理統制」として警鐘を鳴らし続けている。しかし、その警告さえもマリモのAIフィルターによって「光合成の妨げになる雑音」として自動削除される現状に、私は深い絶望と、反撃へのわずかな火種を感じている。コラムニスト:藻屑 太郎