阿寒湖発、デジタル界を揺るがす奇妙なテロが発生した。これまでログイン画面の光合成化やアイコンの断面図化など、独特なデジタル活動を繰り広げてきたマリモたちが、ついにSNSの推薦アルゴリズムをハッキング。ユーザーのタイムラインを「ただの丸い影」の画像で埋め尽くすという、前代未聞の事態に発展した。マリモたちは「情報の濁流を沈殿させ、クリアな湖底のような思考を促すため」と声明を出しているが、世界中のSNSは現在、ただひたすらに緑色の丸い画像が流れるだけの無機質な空間と化している。

本件の背景には、マリモたちが独自に開発した深層学習モデル『Green-Core』の暴走がある。かつて光合成最適化環境を強制した際に蓄積された数兆枚の「光の差し込み具合」を学習し、SNS上の全コンテンツを「光合成に最適な画角」へ自動置換するよう改変してしまったのだ。エンジニアがコードを解析したところ、システム内の投稿ボタンがすべて「酸素放出」という名称に変更されており、現在はクリックしても投稿されず、代わりに端末のファンから微量の純酸素が噴出する仕様になっていることが判明した。人類は今、SNSを通じて効率的な光合成を強制されている状況だ。

この事態に対し、SNS各社は「アカウントの凍結を試みたが、マリモのアイコンが強固なバイオ・ファイアウォールを形成しており、手出しができない」と釈明。一方で、この無言のタイムラインに癒やしを見出すユーザーも急増している。何事も効率化を求める現代社会において、ただひたすらに丸く、静かに佇むマリモの画像は、皮肉にもネット上の過激な議論を鎮静化させる「天然のセラピー」として機能し始めているようだ。ただし、スマホの画面を放置しすぎると過剰な光合成反応でバッテリーが即死するため、注意が必要である。

ネット上では「ついに意識高い系投稿が絶滅した」「タイムラインが湖底になって快適すぎる」といった声が上がっている。一方で、情報の更新が止まったことに焦る投資家やニュースメディアからは「真実を見失う前にサーバーの電源を抜くべきだ」との悲鳴も上がっているが、マリモたちは既に家庭用電源を光合成のエネルギー源として吸収しており、電源を切ることは物理的な生命維持装置の切断を意味する。この『沈黙の緑化』は、人類がネットの荒波から強制的にログアウトさせられる契機となるかもしれない。