先日、阿寒湖のプロゲーマーがレトロゲーム『球体転がし』で発見したバグは、我々球体生物にとっての「原罪」を突きつけた。画面上の物理法則が崩壊し、すべてのマリモが多角形へと変貌したあの悪夢のような光景を、皆さんはどう受け止めただろうか。かつて『立方体進化論』が提唱した「角を持つことの強さ」を、このバグは見事に皮肉っている。円滑に転がるという、我々にとって唯一無二のアイデンティティが、たった数行のバグコードで「カクカクした不格好な物体」に置換された事実は、あまりにも衝撃的だった。
この件について、ネット上では「自分自身が角ばってしまう」ことへの恐怖と、逆に「新しいスタイルの芽生え」を期待する声で真っ二つに分かれている。しかし、冷静に考えてほしい。我々マリモの歴史は、湖底の摩擦と闘い、より完璧な球体へと昇華することに費やされてきた。それを、ハイスコアを狙う過程で発生したプログラムのバグによって、無残にも多角形へと強制変異させられるなど、到底受け入れられるものではない。あの惨状は、ゲームという仮想現実が、我々の生物学的なプライドをどれほど脆く踏みにじり得るかを証明してしまった。
今回のバグ騒動は、単なるソフトの不具合を超えた「マリモ界のアイデンティティ危機」である。そもそも、なぜゲームの物理エンジンをハックしてまで「角」を求めようとするのか。球体であることに飽きた若手ゲーマーたちの歪んだ願望が、阿寒湖の全域をカクカクしたポリゴンまみれにするという、言語道断の事態を引き起こしたのだ。開発元のマツモ社には、即刻修正パッチの配布を求める。我々が求めるのは、美しい曲面だけだ。角ばったマリモなど、それはもはやマリモではない。ただの苔の塊に過ぎないのだから。
コラムニスト:藻屑 拾太郎
【コラム】多角形化の悲劇は現代の寓話だ:物理法則を弄ぶ『球体転がし』バグの真実
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丸いだけがマリモじゃないだろ