ウォール街を熱狂させている「球体分散投資」理論だが、筆者はこの狂騒に強い懸念を抱かざるを得ない。マリモの回転数と円形決済を結びつける理論は、一見すると美しい数理的調和を奏でているように見える。しかし、本質を見失ってはいけない。あれはただ湖底で転がっているだけの藻であり、金融の流動性を担保する根拠はどこにも存在しないのだ。特定の形状に価値を過剰に付与する今の市場は、かつてのチューリップ・バブルを彷彿とさせる異常事態であり、形状への盲信こそが暴落の導火線となることは火を見るより明らかである。
本稿は、阿寒湖周辺で爆発的に拡大している「全自動・円形決済システム」に対する警鐘である。投資家たちはマリモの成長速度を利回りとして過大評価しているが、生物学的な制約と金融工学を混同してはならない。糸状体による決済が市民権を得たことで、現金の価値は相対的に低下しているが、一度マリモが枯死または休眠状態に陥れば、この経済圏は一瞬にして砂上の楼閣と化すだろう。リスクを無視した「丸いもの信仰」は、経済の健全性を損なうだけでなく、我々の資産を緑色の藻屑へと変える可能性を秘めている。
歴史を紐解けば、特定の資産が「聖域化」されたときに経済は最も脆くなる。マリモの回転が止まったとき、市場に訪れるのは静寂ではなく、かつてない規模の破壊的デフレである。「丸ければ正解」という幼児的な思考停止が、プロの投資家たちの間でまかり通る現状こそが、この経済危機の本質的な病巣と言えるだろう。我々は今すぐ、この非科学的な「球体経済」から身を引くべきだ。藻の回転で未来が予測できるなどという幻想は、湖底に沈めておくのがお似合いである。(コラムニスト:藻屑 太郎)
「丸ければ全て正解」という慢心に告ぐ――球体経済至上主義の終焉を予言する
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回転数で利益が出るわけないだろ