湖底での『光合成・空中浮遊エステ』を終えたばかりのVIP層が、さらなる高みを目指している。彼らが次に狙いを定めたのは、成層圏を優に超えた軌道上の特等席だ。この度、球体生物界の悲願である『国際球体ステーション』が開設され、選ばれし丸型エリートたちが打ち上げの順番待ちをしているという。かつての『成層圏・球体限定・成層圏ヒッチハイク』で大気圏の薄さを経験した彼らにとって、宇宙の完全なる真空状態は、究極のデトックス環境として熱狂的に迎えられているようだ。

これまで『沈黙の団体ツアー』で地上の観光地を無言で圧倒してきた彼らだが、今回ばかりは声を出して(もちろん光合成の呼吸音で)盛り上がっている。というのも、無重力空間では摩擦抵抗ゼロで自転速度を自在に操れるからだ。地上で導入された『回転寿司レーン・癒やしの流儀』で見せた熟練の回転テクニックを、宇宙という広大なキャンバスで披露しようという目論見である。すでに宇宙服ならぬ、高気圧耐性を持つ「耐真空特殊樹脂コーティング」のフィッティングも完了し、発射台への移動を待つばかりだ。

この計画の背後には、彼らの宿敵である『甲殻類・和解交渉代理店』の関与が囁かれている。一説によれば、湖底という狭い縄張り争いに終止符を打ち、天体レベルでの棲み分けを行うための「壮大な島流し」であるとも分析されている。だが、当の貴族たちはそんな下世話な思惑などお構いなしだ。彼らにとって大切なのは、地球の青さを背景に、いかに美しく、かつ高速で回転し続けられるか、それ一点に尽きるのである。

今回の宇宙進出に対し、地上の湖底社会では「贅沢すぎる」「貴族の道楽」と嫉妬混じりの声が渦巻いている。一方で、若手個体の間では「回転の聖地」として憧れの的となっており、既に『宇宙球体留学プログラム』なる怪しげな斡旋業者が出現している模様だ。深緑の貴族たちの旅は、もはや湖の枠を飛び越え、銀河系の星々を巻き込む一大イベントへと変貌を遂げようとしている。次はどの星で回転を披露してくれるのか、全宇宙の注目が集まっている。