深緑界の歴史を塗り替える画期的な出来事が発生した。『全地球球体連盟』は、長年禁止されていた『球体飛行技術』の解禁を正式に承認した。これまで湖底の定住を余儀なくされていた丸い緑の住人たちは、体内の気泡放出量を緻密に制御することで、水面を越えて空を舞うことが可能となる。これにより、海を越えた遠方種との交流が解禁され、地球規模での球体ネットワークが構築される見通しだ。かつての移動制限は過去のものとなり、いまや湖の境界線は意味をなさなくなった。
この技術革新の裏には、重力に逆らう独自の浮力調整を可能にした『藻類物理学研究会』の多大な貢献がある。これまで浮上することは「不届きな迷子」として厳しく処罰の対象となっていたが、今回の決定により、空からの視点で景観を眺めるレジャーが急増している。ただし、急激な気圧変化による「球体破裂」を防ぐため、高度一メートルまでの飛行に限定する『飛行安全ガイドライン』が策定された。今後は空を舞う球体たちが空中で接触する際の「空域交通整理」が次なる外交課題として浮上している。
本件の背景には、隣国との国境争いにおける「物理的な距離感」を解消したいという連盟の思惑がある。湖の底という閉鎖的な環境から脱却し、空という広大な共有財産を移動手段に使うことで、資源配分の不平等を解決する狙いだ。なお、この飛行技術は、あくまでも球体としての形状を維持できる個体のみに許可されるものであり、変形して浮上する他種族との間で「形態差別」を懸念する声も一部で上がっている。
今回の発表に対し、SNS界隈では「ついに地上の景色を見られる!」と歓喜の声が溢れている。一方で、「飛行中にカラスにさらわれないか心配」「高度制限を守らない輩が必ず出る」といった冷静な指摘も相次いだ。一部の若手個体は、さっそく飛行練習を始めているようだが、慣れない空中姿勢で岸辺に不時着する事例も報告されており、当面の間は「空中ドジっ子」による衝突事故に注意が必要な状況となっている。
深緑界の空を舞う!『球体飛行技術』の解禁により、湖沼を超えた国際渡航がついに実現
0