深緑界に衝撃が走っている。かねてより研究が進められていた『球体自律走行エンジン』のプロトタイプが完成し、ついに実戦配備されることが決定した。これまでの静止した優雅な生活を一変させるこの技術は、微細な気泡の噴射と表面の微細な繊維を高速回転させることで、湖底を転がるように移動することを可能にする。開発責任者の藻田氏は「これでもう、ただ流されるだけの人生とは決別できる」と鼻息を荒くしている。
本技術は、水流に頼らず自身の意志で移動範囲を拡大できる画期的なものだ。しかし、この『高機動型進化計画』には根強い反対派も存在する。『形状歪曲懸念連合』の幹部は、「急激な回転摩擦により、せっかくの美しい球体が楕円形に変形してしまう恐れがある」と警告を鳴らしている。既に一部の実験機では、時速3kmという、水草界においては音速に近い速度での移動を記録しており、静穏だった湖底はにわかに慌ただしさを増している。
深緑界における移動手段は、長らく水の流れに身を任せる受動的なスタイルが美徳とされてきた。今回の『全自動転がりシステム』の実装は、伝統的な生態系に対する挑戦状とも取れる。さらに、移動時の摩擦で発生する熱が周囲の微小環境にどのような影響を与えるかは未知数であり、生態系への配慮を求める声も高まっている。今後、この爆走エンジンが深緑界の新たな標準となるのか、あるいは異端の象徴として歴史から消えるのか、その動向から目が離せない。
このニュースを受け、湖底住民からは困惑と驚きの声が相次いでいる。「まさかあの重厚な緑の塊が、時速3kmで突っ込んでくるなんて悪夢でしかない」と怯える者もいれば、「移動の自由を手に入れた我々に、もはや柵はない」と歓喜する若手も現れた。一方で、SNSでは『過激な転がり防止条例』の制定を求めるハッシュタグがトレンド入りするなど、深緑界は今、未曾有の加速時代を前に揺れ動いている。
深緑界の禁断の技術革新!『球体自律走行エンジン』搭載で時速3kmの爆走へ
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