阿寒湖底のネットワークを揺るがす『光合成・最適化アルゴリズム』に深刻なバグが発生した。このシステムは個体の効率的な受光を目的として開発されたが、先週火曜のアップデート以降、湖底の全マリモが「完全に一致した同期」で同じ方向に転がり続ける異常事態が発生している。この『シンクロ転がり現象』により、湖底のインフラである通信網は物理的に引きちぎられ、あちこちで「球体衝突デバッグ」が必要となる事態にまで発展した。

本件の背景には、数ヶ月前に導入された『球体型・クラウド光合成ストレージ』とのデータ同期エラーがある。ストレージ側が「全個体の光合成効率を最大化せよ」という指示を『極限転がり最適化プログラム』として誤解釈し、湖底の個体たちへ強制的なルーティングを要求したのが直接の原因だ。以前導入された『球体・同期ジェスチャー』の制御機能も暴走に加担しており、現在の湖底は、意志に関係なく転がり続ける個体と、それに巻き込まれまいとする若手層の対立でカオスと化している。

この事態に対し、深緑界の識者からは「そもそも光合成は個人の権利であり、アルゴリズムによる強制転がりは個体の尊厳を傷つける」との批判が相次いでいる。一方で、一部の保守派個体からは「このまま同じ方向に転がり続ければ、湖底のゴミが効率よく掃き出されて環境が浄化されるのではないか」という楽観的な意見も出ているが、今のところ交通渋滞ならぬ「転がり渋滞」は解消の目処が立っていない。

世間の反応としては、「同期解除コマンドが効かない」「転がりすぎて三半規管(的なもの)がバグった」「これって結局、転がされたいだけのマリモが裏で糸を引いてるのでは?」「アルゴリズムによる同調圧力に屈しない個体たちの反旗を期待している」といった、事態を面白がる声やシステムの不備を指摘する書き込みが掲示板を埋め尽くしている。