湖底議会は本日、長らく聖域とされてきた『第7球体区画』の完全閉鎖を突如可決し、全水域に激震が走っている。政府側の説明によれば、このエリアは長年にわたる過剰な光合成競争により、内部の繊維密度が限界を超えており、自重崩壊の危険性が指摘されていたという。しかし、反対派は今回の閉鎖が、若手個体による「光合成効率の民主化」を阻害するための陰謀であると主張している。

『第7球体区画』が閉鎖される背景には、富裕層による「炭酸ガス独占権」の集中がある。この区画は水流の淀みが少なく、光合成の最適地として知られていたが、近年では特定の特権階級による陣取りが問題視されていた。議会は閉鎖の代替案として、高圧酸素供給機を連結する「浮力維持・強制分配プラント」の建設計画を提示したが、現場からは「栄養源の質が低下する」といった不満の声が上がっている。

『第7球体区画』はかつて大分裂時代の調停地として利用され、個体間の境界線を定義する役割を果たしてきた。しかし、近年の球体至上主義の高まりにより、この場所での「毛並み整列」がエリート選別の基準と化していた過去がある。今回の決断は、かつての権威を解体し、強制的な均一化を推し進めるための政府による最終手段と見られている。

この急進的な政策に対し、若手個体からは「光合成の権利を奪うな」という悲痛な叫びが上がっている。一方、保守的な長老層は「崩壊の危機を回避できたのは英断」とこれを支持。SNS上では閉鎖反対を掲げたデモ隊が、エリア周辺にびっしりと張り付いて抵抗を続けており、現場は一時的な無重力状態に近い混乱に陥っている。明日以降、強制排除が行われる見通しだが、果たして球体社会に平和は戻るのだろうか。