太陽光を絶対的な信仰対象としてきた球体生物界に、にわかに信じがたい異端思想が浮上している。新たに発足した宗教団体『月光のみを食む暗黒回帰』は、日中の陽光を浴びることを「過剰なエネルギー摂取による煩悩の増幅」と断罪。今後は月明かりのみを糧に生活する、ストイックな夜型修行を提唱した。教祖である古参の個体は「昼の光は我らを狂わせ、不要な分裂を促す。静寂の夜こそ、魂の密度が高まるのだ」と主張し、湖底深くの泥中へと潜ることを推奨している。
本教団の教義の中心にあるのは「光合成の停止による意識の深淵化」である。彼らは、昼間に太陽を浴びることを恥とし、黒ずんだ変色を「悟りの証」と定義。教団の施設として、完全遮光を施した人工洞窟『漆黒の深淵』を湖底に建設中である。かつて主流だった「美しい緑色を保つこと」を目的とした教派からは、「単なる日光不足の衰弱死を、宗教的に正当化しているだけではないか」との指摘が相次いでいる。
『月光のみを食む暗黒回帰』の台頭は、長年続いてきた緑化推進派との間に深い溝を生んでいる。教団の修行者は、昼間は活動を控え泥に埋もれるため、観光客からは「ただの苔玉の死骸」と誤認されることも少なくない。専門家は「この極端な光の忌避は、代謝機能に深刻な悪影響を及ぼす可能性がある」と警告するが、信者たちは「代謝こそが執着の源」として意に介さない姿勢を見せている。
この驚くべき教義に対し、SNS上では「昼間に活動できないのは、単に怠惰を美化したいだけでは?」といった冷ややかな反応がある一方で、「夜の静寂にこそ真理がある」と、一定の共感を得ている模様だ。光を求める文明か、あるいは暗闇を求める悟りか。球体たちのコミュニティは、今まさに光と影の二極化という未曾有の分裂期を迎えているといっても過言ではない。
深淵よりの囁き!『光合成拒絶派』が提唱する「月光のみを食む暗黒回帰」の衝撃
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変色した個体が増えるのは見ていて辛い